前回に引き続き、「〇〇がこう言っていた」の事例紹介です。

「現在、事業用として借りている、市街化調整区域内の駐車場・資材置き場用地を購入したい。」と地主に申し出た事例です。

雑種地の扱いになり、元々は農地で周囲には田が広がっています。詳しく調査はしていませんが、まず建物建築、特に住宅の建築はできなさそうな土地です。それを事業用の駐車場・資材置き場として長年借りていましたが、地主の代替わりもあり購入したいと申し出ました。

普通に考えると、建物建築ができる土地ではないのでその価値は低くなります。少なくとも住宅地と同じ金額ということはまず考えられません。

では、地主がどのように言ってきたのか?? 気になりますよね。 私も驚きました!

「この辺りは、坪〇〇万円が相場と不動産鑑定士が言っていた。だからその金額なら売ってもいいですよ。」とのことでした…。

不動産鑑定士がそんなこと言うとはとても思えません。気になって調べてみたところ、借りている駐車場・資材置き場用地の近くにある住宅地の相場でした。

私もそうですが、不動産鑑定士は個別の不動産について「〇〇万円くらいでしょうかね」などと、価格を出すのは控えるものです。発言が独り歩きするのを知っているからです。

総合すると、地主は「近隣の住宅地の相場を、不動産鑑定士が言ったことにして、高く売ろうとした。」となります。これはお互いの信頼関係を壊すのでやめた方がいいですね。