トケマッチの代表者が指名手配されたニュースが大きく報道されています。他人から預かった時計を勝手に販売していますが、そもそも他人のモノを売れるのでしょうか?

そして「他人の不動産、例えば借りている土地を勝手に売買することはできるのでしょうか?」 そんな質問がありましたので、簡単ですがお答えします。今回は、トケマッチと同じ状況下として、腕時計と不動産の違いについてお話しします。

基本的に日本の民法では「善意の人」を保護する仕組みになっています。ここでいう「善意の人」とは、「他人のものであることを知らなかった、かつ知らなかったことについて落ち度がない人」のことを指します。

この反対にあるのは「悪意の人」になります。これは「他人のものであることを知っていた、または知らなかったが、知らなかったことについて大きな落ち度がある人」です。

以下、腕時計と不動産について、「他人の物を買った人」からの視点でお話しします。

①腕時計の場合

トケマッチを例に取ると、腕時計は「本当のオーナー」が仲介業者を介して借り手に渡りました。借り手から返却された腕時計を「本当のオーナー」に返却せずに、仲介業者がオークション等で売却したと仮定します。

この場合は、購入者がその時計の「本当のオーナー」を知っていたなら、民法では「善意の人」に該当しません。したがって保護されませんので、本当のオーナーに対抗するのは厳しいです。

逆に「知らなかった、かつ知らなかったことについてい落ち度がない」場合は、「善意の人」になりますので、民法で保護されます。したがって、本当のオーナーから訴えられても、もう自分のモノであると主張できます。

なぜなら、購入者はその時計のオーナーが誰かを事前に調べる術がないからです。シリアルナンバーがあるとは言うものの、それだけではどうしようもないのも事実です。

②不動産の場合

この場合も、購入者が「本当のオーナー」を知っていた場合は、腕時計の場合と同様です。

問題は「知らなかった場合」です。不動産の場合は、法務局に行けば「登記情報」を誰でも取得することができます。したがって、事前に登記情報を調べようと思えばできたのに、それをしなかったら「大きな落ち度がある」となる可能性が高いです。

この場合は「善意の人」にはなりません。したがって民法で保護されない可能性が高いです。つまり購入した不動産を手に入れることができなくなる、ということです。

ではこの場合は泣き寝入りしないといけないのでしょうか?

こうなった場合には「契約不履行」になりますので、買主は売主に対して「債務不履行による損害賠償」を請求することができます。

ただ、いずれにしてもこのようなトラブルには巻き込まれたくないものです。不動産の場合には、自分で調べられることもあるので、事前に十分に調べるようにしてください。