マスクが吹っかけられている

新型コロナウィルスの影響で、市中ではマスク不足になっています。高額で転売しているニュースもありました。私も気になって調べたところAサイトでは、150枚入りで1,500円(@10円)の商品が、なんと10倍の15,000円(@100円)で売っていました。

フリマサイトのMでは、@50円が相場でした。それでも5倍ですね。

ニュースのインタビューでは「適当に10倍にしたら売れてしまった」と販売者は言っていました。10倍の値段で吹っかけたら、本当に売れてしまった…というところです。

 

不動産も吹っかけられることがある

実は、不動産も同じようなことは日常茶飯事です。仕事柄、多くの取引事例を調査するのですが「なぜこんなに高く買ったの?」とか「なんでこんなに安く売っちゃったの??」と、事情を探るのに頭を悩まします。

相続で、遺産分割をするための話し合いで、自宅の価格査定を複数の不動産業者にお願いしたところ、相続人Aが依頼したX社が1500万円、相続人Bが依頼したB社が2100万円と、600万円近い差額が発生してしまい、かえって収拾がつかなくなってしまった…という相談を弁護士からいただいたこともあります。

ちなみに、X社は地元業者、Y社は大手業者です。Aの言い分は「地元業者の方が地元を知っている」、Bは「大手の方が信用もある」で、真っ向から対立していたそうです・。

先に言ってくれれば、こんなことで揉めないようなアドバイスをしたのに・・・。

 

なぜ吹っかけられるのか??(そんなことができるのか??)

それは吹っかけても、何の責任もないからです。

高く買う、安く売るは、商取引ですから当事者間が「いいよ」となればそれでいいのです。自分の親族も似たような経験があります。不動産業者から土地を売ってくれと言われました。

その際に、「ここは遺跡(文化財)が埋まっている可能性があるから、市価の2割引きが相当です。」と言われたそうです。これってどうなの?ということで私に相談がありました。色々調べて私からアドバイスをさせていただきました。

「安く買い叩こうとしているだけじゃない?」

よくあるんですね、こういうこと。

あと、不動産業者が出す査定価格ですが、基本的に業者はその価格に対して責任は負いません。そもそも、背景が責任云々とかいう性格のものではないのです。

相続の事例は、相続人がお互いに高い値段、低い値段を吹っかけ合ったのです。

マスクではありませんが、「まず吹っかけてみて、それで取引や合意が成立したら儲けもの」程度というのが本当のところでしょう。

 

不動産鑑定士は「吹っかける」のか?

不動産鑑定士の出す鑑定評価額は、厳しいルールに基づいた上での行っており、このルールを破ると「不当鑑定」と責められたり、懲戒処分すらあります。

そんなリスクを背負ってまで、不動産価格を吹っかける片棒を担ぐ…絶対にお断りです! 

あり得ません!!