昨日、大変気の毒としか言いようのないニュースがありました。詳細は省きますが、亡くなった方にはお悔やみ申し上げます。ニュース等を見ていた気になったのが、現場にあるマンションです。今回のがけ崩れで何か影響は出るのでしょうか?

 

①安全性について

マンションの地盤の一部が崩れてしまっています。安全性に問題はないのでしょうか?現場を見たわけではないので断定はできませんが、あの規模のマンションになると杭基礎と言って、地中の深い位置まで基礎杭を打ってありその上に建設されていると思います。

そのため、一部が崩れても直ちに安全性に影響はないでしょう。その下の道路の安全性は…自分なら絶対に通りませんし、通ってほしくありません。

 

②価格への影響

このマンションの販売価格ですが、調べたところ総額で2500万円~2900万円程度です。広さが78㎡、㎡単価が30~37万円、坪単価で100万円~120万円といったあたりでしょうか。

がけ崩れの影響ですが、安全性に影響がないという前提になりますが、直ちに下落することはないと思います。下落する要因として考えられるのが「心理的嫌悪感」です。死亡事故があったマンションですが、部屋での死亡事故ではないので直接の価格影響はないでしょう。

あるとしたら、ブランド価値の毀損です。今回の事故で、亡くなられた方へのどのように向き合うかで、企業としての姿勢が問われるでしょう。ここでは具体的なブランド名は控えます(検索すればすぐ出てきます)。

がけ崩れの場合には、一般的には土地所有者が責任を負うことになります。しかし、どうしても建築主やマンション名も出てしまうので、「あそこのマンションは買わない」という嫌悪感が広がると、下落要因になるでしょう。

 

③責任の所在

よくネットでは、市道管理者の責任…という声もあります。私は法律の専門家ではないので言及はできませんが、基本的には土地所有者の責任です。「市道の管理状況に不備があった」のであれば市の責任というのも分かるのですが…今回はがけ崩れなので、判断に迷うところです。

またマンション住民の責任でもないでしょう。マンションに住んでいることとがけ崩れとの間に、因果関係が認められるとは思えないのです。

考えられるのが、補強工事をする際にマンション所有者に金銭的な負担があるかもしれない…ということです。大規模修繕と同じ理屈です。ただ「あるかもしれない」というレベルですので、断定はできませんが。

もしそうなったら、いきなりの出費になりますので、所有者の同意を得ることが難しいと思われます。

 

これからマンションを買う際には、単に値段が高い低いだけでなく、将来どのような負担が発生する見込みなのかも確認して買うようにしてください。営業マンに聞いてください。そこで曖昧な返事をされたり、濁されたりしたらそこで買うのはやめてもいいかもしれません。

正直に言ってくれた方が信頼できますし、安心ですよね。特にこれからは大規模修繕が問題になってきますので。