私の住む静岡県磐田市を始め、近隣市町には「不動産鑑定士」は少ないです。私を含めて、事務所を構えている方は3名です。一方で税理士は3ケタです…。

人数が少なく一般的ではないため、どうしても不動産の価値判断をする際には、不動産業者の無料査定を依頼されたり、相続税計算の過程で算出された税理士事務所の評価額を、そのまま活用される方が多いのではないでしょうか。

私としては下記のメリットから、ぜひ不動産鑑定評価を活用してほしいと考えてます。

①税務署への提出資料として

 税務署へ申告する際の不動産評価額は、「財産評価基本通達」というルールに沿って計算します。それは納税する側もですが、税務署側でも同じです。いわゆる「見解の相違」が発生します。これにより税務調査の後、不動産の評価額が高くなってしまい、相続税を後から追加で納付する…という事態も考えられます。

 ぜひ最初から「不動産鑑定評価」を活用して、見解の相違を防いでほしいと思います。

②遺産分割の根拠として

 実は「財産評価基本通達」の通り計算すると、不動産の価値は低く計算されてきます。これは相続税額を低く抑えて、納税者の負担を少なくするためです。したがって、正確には「時価での評価」にはなりません。

 一方で、遺産分割の時の不動産は「時価での評価」となります。この「時価での評価」で、相続人の意見がぶつかることがあります。具体的には「不動産業者の査定書」「不動産屋がそう言っていた」「自分は不動産に詳しい」などなど、挙げればキリがありませんが、私はそのような場面に何回も出くわしました。それで取りまとめ役の方がどうしようか悩まれていました。

 中にはちょっと目を疑うような評価を出した不動産業者もいましたが…。

 悩まれるくらいなら、費用は掛かりますが「不動産鑑定評価書」を活用いただきたいです。国家資格者である不動産鑑定士が作成しますので、その信用力は公的機関でも認めてくれています。

 変な言い方ですが、取りまとめ役の方も「不動産鑑定士に不動産鑑定評価書を作成してもらったから。この評価額で行きます。」と突っぱねることができます。不動産業者の査定書はもちろんですが、不動産に詳しいという方の意見も、不動産鑑定評価書で防げます!

 金額も大きいので悩みも大きくなりますが、こういう場面こそ専門家である不動産鑑定士にお任せください。