「無料査定」で検索すると

出てくるのは「中古車」と「不動産」の二つです。より身近なのは中古車ですよね。中古車の査定は買取専門業者だけでなく自動車ディーラーでも「下取り価格」として査定してくれます。

また、中古車も不動産もウェブサイト上で査定を依頼することもできます。

自分も車を買い替える時に複数の買取業者に査定してもらいました。

いずれも「高価買取」とあったので期待しましたが、査定結果はまさかの「同じ金額」でした・・・。(実はディーラーの方が、「値引きはできないけど、下取り価格で」頑張ってくれました)

 

違いは「自社で買取するか否か」

中古車の場合は査定金額で業者が買い取ってくれます。不動産の場合は…査定金額で買い取ってくれますか??

そう、不動産の場合は「査定金額」で買い取ってくれません。

ネット広告に「えっ、あのボロ家の実家が、こんなに高い査定に!?」などと謳われています。

まあ「査定」するだけで自社で買い取らなくてもいいなら、極端な話、「いくらでも高い金額」にすることができます。

もちろん、買取前提で査定金額を出す業者もありますが、査定金額は低くなります。まあ安く買わないと利益が出ませんので…。

 

なぜ高い査定金額を出せるの?

一言で表すと、「物件仲介を受注したい」からです。

複数の業者に査定を依頼して、高い金額を出した業者と低い金額で出した業者、その後の売却はどちらの業者に依頼しますか?

やっぱり高い金額を出してきた業者ですよね。

くどいようですが「その金額でその業者が買い取るワケではない」ので、高い査定金額にしようと思えばできます。

それが奏功し物件仲介を受注したら、まずは査定金額で売りに出し、買主が見つからなかったら徐々に金額を下げていく…よくある話です。

当初に査定した金額は一体何だったのでしょうか?と思います。

 

「その金額でおたくで買い取ってもらえませんか?」とか「おたくで買い取る金額を教えて」と言ってみるのもいいでしょう。

言うだけなら「無料」ですから(*´з`)

 

実際にやってみた!

実際にネット査定を依頼してみました。「最大〇社の無料一括見積!」「最短60秒!」「簡単入力」などいいことづくめです♪

結果…「査定依頼内容をすぐにお受け出来る不動産企業様の登録がなかったため、(中略)ご紹介出来る不動産企業が見つかりませんでした。」というお詫びメールが届きました((+_+))

田舎の市街化調整区域だったからでしょうか??

 

無料査定で困った思い出

相続での財産分与です。

複数業者の査定結果を持ってきて、「どの査定金額が正しいか、見てください(しかもタダで)」と頼まれたことです…。その場で見て答えてよ、的な感じです。

一般的な戸建住宅でしたが、査定金額の開きが800万円もありました。これだけ違うと財産分与に大きなインパクトがあり、当事者間で収まりがつかないということでした。

「どの査定金額が正しいか?」ですが、不動産鑑定士という職業は、「どの査定金額が正しいか」を教えるのは業務ではありませんので、丁重にお断りしつつ、有料になる「不動産鑑定評価書」の作成をご提案しました。

無料査定で不動産価格に対するスタンスが一般的になったのは歓迎なのですが、この時は

「なんで業者によって、(査定金額に)こんな差が出るんだ!」

「不動産鑑定士に頼んで、結果が査定金額のどれかと同じだったらどうするんだ!」

とか色々言われ、正直困りました…という思い出です。