8月第1週の週末は毎年、不動産鑑定士試験の二次試験が行われています。自分が受験した時のことは今でもはっきりと覚えています。最初の2年間は東京会場(お台場)で受験しましたが、今思えば周囲の雰囲気にのまれていたと思います。お台場の景色がいいビルの最上階の会場です。人数も多くみんな自分よりできる人だと思えました。
合格した年は大阪会場で受験しました。東京会場とは打って変わり、そんなに新しくないビルで設備も旧式な感じの「落ち着くビル」でした。きっとそれが良かったのかもしれません。無事に合格できました。

不動産鑑定士試験の二次試験は次のように構成されています。
・初 日  ①10:00~12:00 民法、   ②13:30~15:30 経済学
・2日目  ③10:00~12:00 会計学   ④13:30~15:30 鑑定理論1
・最終日  ⑤10:00~12:00 鑑定理論2 ⑥13:30~15:30 鑑定理論の演習(計算問題)

3日間ぶっ通しで、試験時間は12時間にも渡ります。しかも試験内容は論文式です。マークシートではありません。ひたすら書きまくる試験です。ある意味では、異様な光景です。
論文式ということで、問題を見て分からなかったら何も書けません…。論文式だから何か書けば点数はもらえるだろうと思うかもしれませんが、逆です。「余事記載」ということで減点されます。
しかも余事記載でありながら書いた内容が違っていたら、もう致命傷です。来年また頑張りましょう!という試験です。毎年、初日の民法の試験後に何人か消えています・・・。
そして誰も分からないような問題が出題されることもあります。「没問題」というヤツです。ここでのポイントは「没問題」と見抜いて対処することです。これが見抜けないと「分からない問題が出た!」と動揺して、その後の試験に悪影響を及ぼします。没問題と見抜くためにはやはりそれだけ勉強しないとできません。

没問題の正しい対処の方法は、白紙でもよいと割り切ることです。どうせ誰もできないのであれば、そこで差はつきません。下手に書いて減点をされるより白紙で出せば「ゼロ」です。他の人も「ゼロ」ですからそれでいいのです。こうして精神を保つことが全体の試験に影響を与えます。私も白紙で出した解答用紙がありました。

今思うと、よく自分も合格したなと思います・・・。