よく不動産の話をしていると「どのようなリスクがありますか?」と聞かれます。その際に私から聞くことは「話されているリスクとは、不確実性のことですか、それとも危険性のことですか?」と質問しています。
大体皆さん「何それ?」という表情をされます。そして、大体の場合、リスクは危険性のことと認識されています。まあサッカーの試合を見ていても「リスクと取って攻めに行く時間帯ですよ!」と熱く語る解説者もいます。ここでいうリスクは「逆にカウンターを受け失点してしまうかもしれない」を指しているのでしょう。
実はこれ、「リスク」ではありません。危険性のお話です。なぜなら、カウンター攻撃を受け失点しても「1点」です。もしこれが「カウンター攻撃を受け失点したら、何点の失点になるか分からない…。でも、成功した時も何点もらえるかわからない。」のであれば、リスクです。サッカーではどんなに失点しても「1点」です。逆に得点しても「1点」です。「シュートが決まったら一気に5点も取られる」ことはありません。
まとめると「どんな危険を冒して攻めても、カウンター攻撃で失点するのは「1点」、つまりマイナスの程度が確実に分かっています。
分かりやすい例を紹介します。お子様のために新しいうどんメニューができたとします。おいしくて気に入るか、まずくて気に入らない…どっちの結果になるでしょうか?これが「リスク」です。なぜなら、食べてみるまで結果について確実なことは言えないからです。自分はおいしいと思っていても、子供が「自分の好きな味ではないからイヤ」という可能性もあります。
次に「危険」です。それが熱々のうどんだった場合は、何が考えられますか?「食べたらやけどする、子供がこぼしてしまうと手や足にやけどをする」など、確実にこうなるであろうという結果予測ができます。でも冷めてればどうですか?少なくともやけどはしませんよね。それも確実な結果予測ができます。
つまり「危険」は予測して回避することができることです。「リスク」は、やってみないことには結果がどうなるか分かりません。確実にこうなる!ということは言えないのです。「熱いからふうふうして食べるんだよ」でやけどの危険は回避できます。しかし、せっかく作ったのに子供が気に入ってくれるかどうかは、食べてもらうまで分かりません。これが「リスク」です。
「危険」と「リスク」の違い、少しは役にたちましたでしょうか?