空き家問題については、テレビや週刊誌などでも取り上げられていますが、その中で「特定空き家」という言葉が出てきます。イメージとしては「ボロボロの家」というところでしょう。
正確に言うと、つまりお役所的な表現をすると「特定空き家とは、①そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態 ② そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態 ③適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態 ④その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態 にある空き家」です。

とっても簡単に言うと「近隣住民も不安がっているから、早く取り壊してほしい空き家」です。空き家は誰も住んでいません(当たり前ですが…)。所有者は遠方に住んでいたりすると、いわゆる「近隣住民の目」を気にすることはないでしょう。気にしていたら放置せず何とかしようとしているはずです。何かしようと思ったらお金もかかりますが、それを近隣住民が負担してくれるわけでもありません。結局放置されます。

そこで、自治体が「早く壊してほしい家」として指定できるようになりました。役所の人が「近隣住民も不安がっているから、何とかしてよ(←本音は取り壊してほしい、ですがリフォームなどの方法も考えられるのでこんな表現でしょう)」と、強いお願い(勧告)をされます。
お願いなので、聞くか聞かないかは所有者の判断です。理論上は「イヤ!」と言うこともできます。が、実際は断ると強権発動(措置命令)されます。過料か行政代執行(自治体が取り壊し、費用を所有者に請求)されます。

さらに、建物がなくなると土地は更地です。固定資産税の優遇がなくなりますので、税額が6倍になります。解体費用を負担し、固定資産税の増額(←役所的な表現では、軽減措置がなくなる)と相成ります。
不動産における「要注意人物」といったところでしょうか。