昨日は、三重県不動産鑑定士協会が主催した講演会に参加してきました。テーマは「尾道空き家再生プロジェクト」で、実際に尾道市で空き家再生と移住者とのマッチングに取り組まれている豊田雅子氏のお話を聞きました。尾道市と言えば、映画の舞台にも度々登場し、観光の街、坂や路地が多く昔ながらの建物が残された風光明媚な土地・・・という印象があります。しかし実際には500軒以上の空き家があり、状態も空き家を通り越し「廃墟・廃屋」という状況になっている物件も珍しくないそうです。

さらに言うと、坂と路地の街 → 車が入ることができない(接道義務を満たしていない)→ 再建築ができない ということで、何十年も放置されている物件も珍しくないとのこと。そんな物件をリノベーションして新しい命を吹き込む・・・と言うとかっこいいですが、私の感想では「新しい命(≒移住者)を呼び込む」ことに成功していると思います。歴史のある街ですので、アーティストにとっても魅力的なのかもしれません。ただ、リノベーションすれば移住者が増加するという単純なものではなく、雇用を生み出すことに苦慮しているということでした。

私の地元の磐田市に目を向けてみるとどうでしょうか?尾道と比較して、観光地としての魅力は負けていますのでアーティストに移住してもらう作戦はあまり効果がないようにも思います。物件も歴史的な物件というよりも一般的な戸建住宅が多いです。ただし、工業都市としても側面もあり雇用環境は尾道市よりも確実に上でしょう。ここからのポイントは「どういう人に来てもらいたいか?」というメッセージではないでしょうか。個人的には少子高齢化が進んでいますので、子供の数が増えるといいと思います。

そこで、磐田市を大きな会社に見立てると、移住者は従業員です。どのような従業員に来てほしいのか??単に「磐田市はアットホームな会社です。子育てもしやすいです。ジュビロ磐田のホームタウンです。」などど言っても集まらないでしょう。私の考えはいままとめています。協力者が増えるといいのですが…。