私は、不動産投資には賛成派です。もっと不動産に対する理解が深まり、多くの方が不動産投資について関心を持ってほしいと思っています。その立場であえて「相続対策で不動産投資はチョット立ち止まりましょう」と提言します。

確かに、現金を不動産に変える、更地にアパートを建築して賃貸する、ことで相続税評価額を下げることができ、結果として納付する相続税額が少なくなります。ただこれは「相続税を納付する必要がある人」です。10人中9人は相続税がかからないのが実状です。にもかかわらず相続関係のセミナーに行くと「相続税対策には不動産投資が有効です」と説明がされます。個人的には相続で「築古になったアパート」なんかいりませんが・・・。

10人中の9人は「相続税はかからないが、自宅の不動産は持っている。」のですが、その不動産をどうすべきかで相談する機会もセミナーもなく困っているのではないかと思います。まずどのように評価すべきか、分けられない財産を無理やり分けようとするからもめるんですが・・・。最初から無理して分けなければいいと思いませんか??ちなみに別居している兄弟が相続放棄するなんて思わない方がいいですよ。兄弟の配偶者は兄弟仲がどうなろうとあまり実生活に影響はないですから、言いたい放題言ってくるかもしれません。その調整をするのはやはり長子になるんでしょうか・・・。

「自宅の不動産を相続せざるを得ない人 VS 相続しないが自宅の評価額は高い方がいい人たち」の構図でもめます。法律上は「公平」ですから、どうしても自宅の不動産を相続せざるを得ない人が弱くなります。金銭的な負担をせざるを得ません。この状態で放置したままにすると、親というストッパーがいなくなったら「争族」がスタートです。

そうならないためには、不動産の専門家である不動産鑑定士にお任せください。少なくとも兄弟の配偶者に自宅不動産の評価で口出しさせないような環境は構築できます。事前に自宅不動産の評価を押さえ切ってしまえば、後は「どう分けるか?」に集中できます。