不動産鑑定士になるためには

国家試験である「不動産鑑定士試験(一次・二次)」に合格し、合格後は「実務修習」をし、修了考査に通らなくてはなりません。「不動関係資格の最高峰」と紹介されており、試験・実務修習ともなかなか大変です。

私の場合は、サラリーマンでしたので日中は勉強する時間はありません。でもそれを言い出すと合格なんて絶対に無理です!!

ではどうしたか?? 政府が言うよりずっと前に「セルフ働き方改革」をしました。今回は、思い出話になります。

 

勉強時間確保は地獄の苦しみ??

時間確保をどうするか?まとまった時間なんて取れません。そこで「ある程度まとまったスキマ時間」を見つけることが第一歩です。

私の典型的な一日のスケジュールを書いてみます。

起 床:4時00分 

朝勉1:4時10分~6時00分(自宅)

朝勉2:7時05分~8時25分(通勤電車) 

昼 勉:12時~12時50分(昼休憩)

夕 勉:17時30分~18時30分(通勤電車)

就 寝:22時00分(子供の寝かしつけと一緒に自分も寝る)

 

これで、勉強時間は5時間確保できます。ポイントは、4時に起床するためには22時には寝ないといけないというところです。自分の場合は、睡眠時間を削ってまで勉強すると、質の高い勉強ができず逆効果になってしまいました。

22時に寝るためには、「残業」なんてしていられません。定時に終わるために、日中の仕事をかなり効率化しました。

そうしないと「合格」できないからです(泣)。

あと、仕事で疲れて家に帰ってきてからは、勉強しませんでした。眠くなって非効率です。子供の寝かしつけを口実にさっさと寝てしまい、朝早い時間から勉強した方が、何倍も効率的でした。

でも、地獄とも大変とも思いませんでした。モチベーション(と睡眠)って大切ですね。

 

オマケ 「論文式試験の効率的な勉強法」

不動産鑑定士試験の二次試験は、なんと論文式(白紙の原稿用紙を渡され、そこに解答を書いていく。時間は2時間!)です。

本来は答案作成練習で、実際に解答を書きたいのですが、電車の中ではできません・・・。

 

では、どうしたか??

実際に書くことができないので、頭の中でイメージトレーニングしかありませんでした…。以下、具体的な方法です。

・教材や答練問題、模試問題などの問題部分を見ます。

・次に「何を書くべきか」「どんな組み立て(民法だったら、問題提起→条文解釈→あてはめ)」にするかをまとめ、そして解答用紙に記載すべき内容を、ブツブツ言っていく(怪しい人)。

・模範解答ににある内容を網羅できたか? 途中で「??」となることはなかったか?を振り返り、再度模範解答を読み返します。

 

その繰り返しです。時間は全部で10~15分くらいです。電車の中ですから、5~6問はできます。

 

苦肉の策でしたが・・・「答案を作成しない」という選択もある!

今振り返ると、これが一番力がついたと思います。答案を作成することももちろん大切ですが、答案作成には「時間も労力もかかり過ぎ(疲れる)」てしまいます。

この方法だと、一日にかなりの問題をこなせ、さらに「振り返り」に力を割くことができます。

それによく考えるとこの作業、「本試験で一番最初にやること」なんですよね。

自分の場合は、答案作成に力を掛けすぎてしまい、論証組み立て力が弱かったんですね!!

もちろん当時は自分の弱点がそこにあるなんて思ってもいませんでしたが…。

 

その結果、地獄の…

まとまった時間が取れる時にしかできないこと…そう、「鑑定理論の演習(計算問題)」を朝勉(自宅)でやることになりました。

まだ寝起きで頭が働かない中で「演習(計算問題)」です。答練も模試も、朝勉でやっていました。地獄の「朝勉タイム」です。

DCF法を朝からやるなんて(泣)

この方法が奏功したのか、本試験ではまさかの「完答」でした。いつもは泣きそうになりながら、2時間で「7割のところまで解答行できれば良し」でしたが、本番では「100分で完答」できました。

時間が20分も余ったので「致命的なミスをした!」と不安になりましたが、後から本試験の振り返りを聞いたら、「今回は完答できたかもね」という内容でしたので、ホッとしました。

 

まさかの予想的中!!

この方法でやっていると、たくさんの問題を頭の中で処理します。鑑定理論の問題をやっている中で「そういえば、あまり出てこない分野があったな」というコトに気づきます。

鑑定理論では、毎年1問は「え、そこから出すの!」という問題があります。私の場合は「今年は諸原則が怪しいかも…」と思いだしました。それでそこを集中的に勉強しました。

そして本試験、「諸原則」が最初に出題されました。織田裕二もびっくりの「キターッ!」です。

苦肉の策でしたが、きっとたくさん問題をこなしたから、じわじわとそんな思いが湧いてきたのかもしれませんね。今となってはいい思い出です。

 

気分の貯金

予想が的中して、自分ではかなり満足のいく答案が書けたと、当時は思っていました(後から見たら、実は得点が一番低かった(泣))。

でもそんなことはどうでもいいのです。もう気分はアゲアゲの強気モードです。

その後、ちょっと「??」な問題もありましたが、「気分の貯金」を使って乗り切れました。(実は、そこが得点が最も高かった…そんなもんです)。

 

本試験を左右するのは…

自分で言うのもアレですが、直前模試の結果、そんなに良くないです。たぶん「ノーマークな人」だったと思われます。

「気分の貯金」を作れたこと、これが自分が合格できたポイントだったと思います。