〇〇離れという言葉があります。よく聞くのが「クルマ離れ」です。確かに都会にいれば、わざわざ自動車税・自動車保険料を負担してまで、保有しなくても使いたいときにレンタカーで十分でしょう。私でもそうします。

あと最近では「結婚式離れ」です。結婚式の平均費用はおよそ「320万円」程度だそうです。親戚付き合いや家族意識の希薄化、終身雇用からの意識変化で職場の人を招きたくない…ということで、「ジミ婚」「ナシ婚」がどんどん増えています。結婚式にかける費用を、新婚旅行や家族での結婚式にかけたいということで、今なら私もそうします。

さらに「葬儀離れ」も増えています。10年前の2倍だそうです。派手な葬儀よりも「家族葬」などお金を掛けず家族だけで静かに送るということです。うちの母親も「家族葬」でいいと言っていました。

価値観が変わってきています。もうお金を掛ける対象が違うのでしょう。住宅もきっと同じことが起きます。3000万円から場合によっては5000万円とか6000万円もかけて、住宅を購入する時代はそろそろ終わりかもしれませんね。住宅を購入したら住宅ローンの返済があります。それこそ退職に近い年齢まで払い続けなくてはなりません。

これから空き家、それも程度のいい空き家が増えてきます。それを購入して1000万円程度でリフォーム(またはリノベーション)すれば、十分に住むことができます。子供たちとの同居も考えていなければそれで十分でしょう。

お金を掛けた新築離れが進むと、住宅ローンの需要も減ります。さらに人口減少もやってきます。そして老後に2000万円とか3000万円とかが必要になるということになれば、家は安くすませて、老後資金の準備に備える行動をとるのが普通の心理だと思います。

そもそも住宅を購入するという発想すらなくなるかもしれません。空き家を安く借りて、老後は施設に入居…こんな時代も意外とすぐそばに来ているかもしれませんね。