理論と現実が異なることはよくあります。またちょっと考えれば「確かにそうだよね」と思うことであっても、実際にそのような場面に立つと間違った回答をしてしまうこともあります。子供からこんなクイズを出されました。一緒に考えてみてください。

「池に鳥が10羽います。猟師が鉄砲で撃ったら1羽に命中しました。池に鳥は何羽いるでしょうか?」というものです。私は「9羽だよね。そんな引き算の問題でもあるの?」とあっさり回答し間違えました。

答えは「0羽」です。なぜか?それは鉄砲で撃ったらその音に驚いて他の鳥は逃げ出していなくなってしまうから…ということです。確かにそうだよね…。

理論的に考えれば「10-1=9」です。でもそれは現場を見ていないからそうなってしまうのです。現場にいれば簡単に0という解答を導き出せたでしょう。これはどんな場面にでも言えるです。

相続なんかまさにその典型です。「家族みんなの合意形成ができているから遺言なんか必要ないよ」と言われる方もいます。それは理論的にはそうです。でも実際にその場面になったら、もっと言うと大金がちらつき出したらどうなるでしょうか?「あの時はそう言ったけど、今は違う考えですよ。」と言われたらそれでおしまいです。

特に相続放棄は、事前に口にすることはできますが、事前に手続きをすることはできません。相続人の一人から「あの時は相続放棄すると言ったけど、今は法定分はもらいたい」と言われたら…確実に揉めますよね。「話が違う!」となるでしょう。

だからこそ事前に不動産評価も含めた対策が必要になります。