相続診断士協会で作成しているエンディングノートがあります。それ以外にもエンディングノートはありますが、私が気になった点について思うままに書いていきます。

『預貯金や生命保険、金融商品などは「金額欄」がありますが、不動産には金額欄がない。または「固定資産税評価額」を記載するようになっている。』
・最も大きな財産である「不動産」ですが、なぜ金額欄がないのでしょうか?理由は簡単です。「書きたくても書けない」つまり、分からないからです。
・固定資産税評価額を記載させるようになっているのは、まだ良心的ですが、固定資産税評価額はあくまで固定資産税徴収のための金額であり、実勢価格より低い金額になっています。
・遺産分割は「実勢価格」で行うのが一般的ですが、それはどのように把握すればいいのでしょうか??

書籍やウェブサイトでは「無料査定を使って把握しよう」と記載されており、また不動産鑑定士に頼む方法もあるが「報酬が高い」ので、あまりおススメしないということを言っている人もいます。
無料査定は気軽にできますが、自分が気軽にできるということは他の人も気軽にできてしまいます。そして、複数社の査定金額が同じであればいいのですが、営業目的もあり高めの金額で査定結果を
出す業者もあるやに聞いています。つまり「結果が異なる、しかも数百万円も違う」ということがあります。それを誰がどのように調整するのでしょうか??
「調整する」という作業が出てくるだけでも一苦労だと思います。

お金を掛けてでも不動産鑑定士に鑑定評価を依頼し、鑑定結果で不動産の価値を決めるのが「一番楽で、後腐れがない」と考えています。地獄の沙汰も…ではありませんが、相続人間で揉めて人間関係の
取返しがつかなくなるリスクも考えるなら、事前に鑑定評価を依頼してもらうのがベストだと思います。