固定資産税とは何か?と聞かれたらなんと回答すればよいでしょうか。「土地,家屋を所有している人がその固定資産の価格をもとに算定された税額を、その固定資産の所在する市町村に納める税金です」になるでしょう。これだけ聞いてもよく分からないかもしれません。簡単言うと「自治体に払うレンタル料」です。自分の土地・建物であるにもかかわらず、レンタル料を払うなんておかしいと思われるかもしれませんが、実質的にはレンタル料です。

自治体はあなたの居住する地域で最大の不動産オーナーです。オーナーである自治体は誰かにその不動産をレンタルすることで経営を成り立てています。自治体の収入の約20~25%が固定資産税収入になっています。余談ですが、不動産を相続したが使わないから自治体に寄付したい・・・という声もありますが、基本的に自治体は受け取りません。「基本的に」というのは、今後都市計画等で使用する予定がある土地であれば喜んで受け取ってくれますが、そうでない土地はまず受け取りません。もし自治体の所有になったら固定資産税が徴収できなくなりますよね。税収減になりますからNGなのです。

固定資産税評価額は3年毎に見直されます。近所に駅ができたから便利になった、と喜んでいたら土地の価値が上がり固定資産税も上がってしまった。ということはよくある話です。払う側からすると困った話ですが、自治体からすれば大変よいことです。それだけ自治体の競争力が上がったということです。その逆は払う側からすればいいのですが、自治体からすると大変困った事態です。税収減小につながりますし、何より自治体の競争力が落ちてしまったということです。住民サービスのカットや人口減少も覚悟しなくてはなりません。

今、賃貸住宅に住んでいる人は固定資産税は払う必要はありません。大家さんが払っていますから。その分家賃に上乗せされているのですが・・・。自宅を所有すると固定資産税の納付義務が発生します。払う側は大変ですが、自治体としては住民税も払ってくれる人が来てくれることは大歓迎なのです。あの手この手で移住に向けた補助政策が用意されています。現金支給、住宅ローンの利息補助などなど。でも一番の政策は「住みたくなる街づくり」だと思います。子育てしやすい街、子供と安心して暮らせる街であれば、補助政策なんかなくても向こうから住んでくれます。