あまりお勧めできる話ではありません。倫理的にも問題があるかもしれません。そこを承知の上で今回は相続の交渉術についてお話しします。もちろん不動産関連ですが・・・。

不動産の評価を知る上では「無料査定」なるものが早くて簡単で…と思っているかもしれません。しかしその金額は各業者の思惑が混じっていたりします。正当に評価をしているものもありますし、自社で取り扱いたいがために高い金額を提示したり、「売れたらいい値」を提示されてきたり・・・どの金額が適正か判断するのは困難でしょう。相続人で揉めている時に、もし私が不動産をもらわない側であれば一番高い査定金額を提示して、この金額を不動産の評価額とするよう押し通します。なぜなら、その分自分の取り分が増えるからです。逆の立場であれば、低い金額を提示します。その分自分の持ち出し金額が減るからです。

それを踏まえ、例えば不動産をもらう側が「1300万円」、もらわない側(二人いたとします)が「2000万円」「2200万円」と提示してきたら、どのようにしますか??中間を取って1800万円にしますか??
私が「2200万円」を提示した側であれば、「1300万円と2000万円の中間である1650万円」の評価で納得します。そのかわり、「自分は不動産評価で550万円も譲歩したのだから、先に引き継ぐ財産を選らばてもらう!!」と強く主張しますね。別に2200万円の評価が正しいか否かではなく、自分に有利な展開となればそれでいいのです。これも交渉です。先に譲歩することでより大きな果実を得る・・・不動産の評価がこのように使われることもありますよ。

そうならないためにはどうするか?不動産鑑定士に鑑定評価額を出してもらえばいいのです。国家資格である不動産鑑定士が様々な手法を駆使し、時間をかけて丁寧に求めた評価額と無料査定の金額、どちらが信頼度がたかいでしょうか?言うまでもありません。「不動産鑑定士の評価額がおかしい!!」と主張するならその根拠を示して反論しなくてはなりませんが、なかなか難しいでしょう。費用は掛かりますが、無駄な争い(主導権争いともいいます)がなくなり、逆に主導権を握れるかもしれません。費用以上の利用価値はあります。