検索エンジンを使用して「相続対策」と入力すると、ほとんどが「相続税対策」や「節税対策」が上位にきます。相続税対策は確かに相続対策の一部ではありますが、すべてではありません。
相続税の課税対象になる人は全国で8%に過ぎません。むしろ10人中9人は課税対象外であり「関係ない」と思われるかもしれません。課税対象でない人は「相続税対策」は必要ないですが、「相続対策」は必要になります。
「自分たちには関係ないね」と思っていると、後から「争族(あらそうぞく)」になります。実際に相続でモメるのは財産が自宅(土地建物)のみのケースが多いのです。なぜでしょうか??考えられる原因は「思いのミスマッチ」です。
相続される側「兄弟間は仲いいし、同居している長男に自宅を相続しても問題ないでしょ。」
相続する側「兄貴だけ財産(ここでは自宅)をもらうのはおかしい。自分たちも相応の財産を分与をしてよ。」
これが亡くなった後に起きると最悪です。なぜなら自宅は細切れにして分けることができないからです。仮にもらえなかった側が弁護士を立ててきたらどうなるでしょうか??勝てますか?
そこで事前の「相続対策」が必要になります。特に自宅の価値把握は重要です。自宅を引き継がない相続人は、自宅の価値に応じて自分たちの相続する財産を主張します。
では自宅の価値はどう把握すべきでしょうか?
ここは不動産鑑定士に依頼してください。ウェブサイト上で「自宅無料査定」というサービスもありますが、正直これを使って自宅の価値をいくらと提示しても説得力に欠けます。理由を書くと長くなりますが、不動産鑑定士は国家資格であり、鑑定評価基準に基づいて厳格に評価額を出しています。
そしてもっとも大切なことは「説得力が違う」ということです。モメている時は少しでも相手のアラ探しをしてそこを突いてきます。私が自宅を相続しない相続人から相談を受けたら、自宅の価値判断がおかしい!と主張して鑑定評価を行います。それによって少しでも取り分が増えればいいですから。