ワンルームマンション投資は、老後資金の足しになる??

先日、不動産投資セミナーに参加した話を書きましたが、読んでいただいた方から次のような質問をいただきました。

【老後資金2000万円問題=年金の不足問題】と絡めて、ある不動産業者から「都心のワンルームマンションの一室を購入して、家賃収入が年金の補填になりますよ!!」という勧誘があったけど、それってどんなもの??

業者の言うことをそっくり信じるなら「都心のワンルームマンションは、一人暮らしの需要が高いため空室率も低く、安定稼働しているから安心」ということです。

本当なのでしょうか?

 

老後資金を減らします!!

業者のセールストークが正しいなら、わざわざ地方の個人相手に営業しなくても、真っ先に機関投資家や富裕層が投資するのではないでしょうか?

しかも一室なんてケチなことを言わずに、一棟まるごと”どかーん”と♪

この手の話で、①地方の個人相手に、②ワンルームマンションの一室投資で、③年金の補填になります! と持ち掛けられる案件に、残念ながら目ぼしいものはありません。

私に相談されたら、資料があれば一応は目を通しますが、基本はやめるようお話しします。

特に金融機関から借入までしてワンルームマンションの一室だけの投資なんて、不動産投資経験がない方はなおさらです。

自己資金の範囲内で、リートなどの違う不動産系の投資商品から、まず始めた方がいいでしょう。

 

ワンルーム投資、自分ならやらない理由は・・・

ワンルームマンションの一室投資の肝は、「空室率が100%かゼロ%」のどちらかしかないということです。

マンション一棟であれば、空室率がおよそ5~10%程度とか、近隣にある似たマンションから推測できますが、ワンルームだとそれができないんです。

よほど人気のある物件でない限り、一旦空室になったら埋めるのは困難かもしれませんね。最も「よほど人気のある物件」であれば、業者も”地方の個人”に売るなんて面倒なことはしないでしょうけど。

 

とにかくお金がかかる!!

住んでいる人が入退去の度にオーナーには修繕義務があり、修繕費の支出が必要になります。

賃貸管理も業者任せにすると、この修繕費でぼったくられることもあるのでご注意を。

さらに、建築してからの年数もポイントです。築後15年も経過するとそろそろ「大規模修繕」といって、外壁補修やエレベーターの交換など、とてもお金のかかる工事をしなくてはなりません。

その費用負担も「オーナー」です。

そのため、そろそろ大規模修繕が必要だと思われる時期にサッと手放すことができればいいのですが、【買い手】がいないと困ったことになります。

大規模修繕で大きな支出が必要になるのに、そんな物件を購入する【買い手】なんているのでしょうか??

 

いるんです!! 

業者が一生懸命営業しているでしょ((+_+))

業者のセールストークで「ワンルームマンションの一室だから、低い金額で投資が可能」とも言われます。これはテンプレート通りのワンパターンフレーズです。

さらに「銀行に預金していても、利息は付きません。不動産投資なら利回りは〇〇%ですよ。しかも株式違って、なくなることもありません!」とも言います。

そんな利回りの高い商品で安全性が高いとくれば、やらない手はありません。なぜその業者はわざわざ”地方の個人”に売ろうとしてくるのでしょうか??

 

誤解を恐れずに言い換えます。

プロ投資家は相手にしない、自社で購入するにも値しない物件を、よくわからない”地方の個人”に売りつけて、何かあっても、最後は伝家の宝刀の ”投資は自己責任” で逃げ切ってしまえ!です。

もし本当にワンルームマンション投資をしようとするのであれば、せめて現地に足を運んで自分の目で確認はしましょう。

築年数の確認は当然として、周辺の似たようなワンルームマンションの空室も見てください。

間違っても、業者の話だけ聞いて、カタログや業者作成の資料だけ見て判断するようなことはしないでください。

 

ご不安であれば…

私にご相談ください。不動産の鑑定評価をして、提示された値段と比較してみてください。

不動産の鑑定評価をすると確かに出費になりますが、いざ購入してからかかる出費に比べれば、かなり安いものだと思います。