不動産広告を目にしたことはありますか?大体、A4横サイズで、左側に物件の地図や写真が掲載され、右側に縦長で価格とか詳細な情報が記されています。それらの不動産広告に掲載されている「価格」ですが、適正な価格が記されていると思いますか?
私も色々な物件を見させていただきましたが、答えは「No」です。”市場相場なり”という案件ももちろんありましたが、多くは「個人的な事情」「業者の事情」で価格設定がされていました。少し具体的な例をご紹介します。
①個人的な事情編
〇借入金の残額…相場と比べてやけに高いなと思っていました。色々と調べていったら、どうやら売主に借入金があるらしく、売却金額で残債を完済できる金額で売り出し価格を設定しているようでした。借入先の金融機関の手前、その金額で設定せざるを得なかったのかもしれませんね。最初の売り出し価格から徐々に下げていくのでしょう。
〇売主の思い入れで…中古住宅の案件です。これも相場と比べでやけに高い金額で売り出し価格が設定されていました。色々と事情を調べたら、売主が建物を拘って建築したらしく、「相場よりも高い金額のはずだ!」ということで、最初の売り出し価格を設定しているようでした。
②業者の事情
〇周辺の住宅価格の上限…これは物件の写真を見て「とっても高い売り出し価格かな?」と思ったので、路線価や国交省のサイトなどで、周辺の地価相場を調べてみました。飛びぬけて高い売り出し価格が設定されていました。なぜこんな高い売り出し価格を設定したのか?ここからは推測ですが、周辺の売り出されている物件のうち、最も高い金額に合わせて売り出し価格を設定したのでしょう。この前同じ物件を見たら、「相場なり」の価格に値下げされていましたが…。
〇空き家の場合…売主の事情にもよりますが、「いくらでもいいから、早く売りに出したい」という場合には、相場なりの売り出し価格になっていることが多いです。ただし、建物が居住している場合と比べて痛むスピードが速いので、その点は割引しないといけませんが…。
もちろん他にも事例はありますが、これだけ見ても「適正な価格」って何だろうと思います。「安い物件だと何かあるのではないか?」と思いますし、「高い物件だと、高値掴みさせられるのではないか?」とも思います。このような場合には不動産鑑定士にご相談ください。お金はかかりますが、不動産鑑定評価を行えば気に入った物件の適正な価格を把握することが出来ます。
結果として、費用の節約になるかもしれませんね。