頻度は多くないのですが、不動産鑑定士としての意見を「意見書」という形でお示しすることがあります。

相談の中で、口頭でお伝えすることはよくあるのですが、内容によっては先方に書面で提示したいという希望もあります。口頭でお伝えする内容はどうしても「不動産鑑定士がそう言っていた。」となること、さらには尾ひれがつくことも想定しておかないといけないため、あまり踏み込めません。

経験談ですが、「不動産鑑定士がそう言っていたと言われたが、それはあなたか?」と尋ねが来たことがありました。あくまでも一般論を話しただけだったのですが、都合のいい内容に改変されていましたね💦

また賃貸借の契約更改にあたって意見を求められたことがありました。先方の出してきた賃料根拠に納得がいかないとのことでした。

詳しく見せていただくと、税理士が作成していました。税金計算で使用する算定方法を用いて不動産価値を求めていたため、その不動産の個別性が反映されておらず、また時価からも乖離していました。

ここで「意見書」の活用シーンですが、「不動産鑑定士としてどう思いますか?」という問いにきちんと書面で残す、相手方に提示する場面で使ってください。

 

当然ですが費用が発生します。ただそれ以上の価値はあります。

 

その理由として、まず相談場面で私が口頭でお話しした内容を、相手方に伝えるのは構いませんが、どのように伝わったか私には分かりません。そのため、先方から問合せがあっても基本的には答えないですし、その義務もありません。

ちょっと厳しい話になりますが、きちんと費用をお支払いしていただいた方と、無料相談レベルでお話しする内容とでは、差があります。無料相談を低く見ているのではなく、費用をお支払いされた方に提供するサービスとでは、そのクォリティに差があるのは当然、という考えからです。

「意見書」を出した場合には、問い合わせがあればきちんとお答えします。

 

まとめ ~こんな場面で活用してください~

①不動産業者の査定書内容についての見解

②先方の出してきた資料についての見解

③交渉にあたっての、個別の不動産についての見解