なぜ住宅地の中に果樹園が??
「ポツンと一軒家」というテレビ番組があります。人里離れた場所に存在する一軒家を訪ね、どんな方が住んでいるのかをリサーチする番組です(かなりざっくりですが…)。
その反対に、住宅地の一角に「ポツンと果樹園」が現れることがあります。周りは戸建住宅ですが、なぜかそこだけ果樹が植えてあり違和感を感じます。これは一体何なのでしょうか??
その正体は…
もちろん土地所有者の趣味という可能性もありますが、ほぼ「節税対策」と見ていいでしょう。住宅地もそうですがいわゆる「宅地」の場合、更地のまま所有していると、固定資産税が高いです。減税措置がない「素の税金額」となります。
そこで何とか税金額を減らせないだろうか…と考えるのですが、最もよく見かけるのは「住宅を建てておく」ことです。住宅が建っている土地の税額は巣の税額の「1/6※」になります。※税額軽減の要件を満たしているという前提条件です。
ボロボロの空き家でも、取り壊さずにそのままになっている住宅を見かけますが、取り壊すと税額軽減措置がなくなり、土地の固定資産税が6倍になってしまうから、仕方なく(?)そのままにしているのでしょう。
果樹を植えると…
固定資産税の課税は「現況主義」と言って、今どういう使われ方をしているかで決まります。登記簿上の地目が「畑」でも、宅地のようにしていれば「宅地」として課税されます。逆もしかりです。「宅地」でも現況が「畑」であれば、農地としての課税になります。
「宅地」と「農地」では課税される金額が異なります。農業保護もあり「農地」の方が固定資産税は安いです。それを狙っています。同じ「農地」でも、野菜を育てようとするとそれなりの手間がかかります。果樹であれば、とりあえず植えておけばいいので、管理面ではラクです。栗なんかは代表選手です。
ただし…
果樹を植えたからと言ってすぐに「はい、農地ですね。固定資産税は農地として課税します。」とはなりませんのでご注意を。栽培実績を見られます。「そうは問屋が卸さない」のです。