最近では、相続でもらいたくない財産になってきている「不動産」です。すぐに換金できればいいのですが、都会ならともかく田舎の場合では、なかなか買い手が見つからない&管理に手間も費用もかかるのが現状です。それより現金や金融資産を相続した方が何かと便利です。

最近あった「ちょっとそれはどうなの?」という事例をご紹介します。

相続でもらった不動産を評価する時に、相続税路線価に不動産の面積を乗じて求めていました。この方法は相続税の計算の時に用いる方法です。この方法で求めること自体は間違いではありませんが、いかんせん相続した土地がいわゆる「間口狭小(奥行きがやたらと長い)」でした。

この場合、一般的な正方形や長方形の土地と比較して、間口狭小(細長い土地)ですので使い勝手が悪くなります。建物建築にも制限が出ますので、価値もそれなりに下がります。にもかかわらず「相続税路線価×土地面積」で資産価値を求めていました。

どういうことか?資産価値を高く評価しすぎているということです。使い勝手が悪いのであれば資産価値も減少していますが、そこを考慮していなかったということです。その結果、資産価値が高くなりすぎてしまい、他の相続人に分配する資産が増えてしまったため、困った(モメている)という状態です。

この場合注意してほしい点があります。「使い勝手の悪さ」から資産価値を減額する場合、自分の勝手な思い込みで減額すると、相続人間で揉める要因になります。お金はかかりますが、不動産鑑定士に相談、評価してもらう方がいいでしょう。お互いに納得でき、こと不動産に関してはすっきりと相続ができるようになると思いますよ。