市街化調整区域にある建物のややこしいところ

自治体によって異なりますが、「市街化区域」と「市街化調整区域」に分かれていることがあります。

このうち一般的には「市街化区域」は建物建築OK、「市街化調整区域」が建物建築は原則NG、などと言われています。しかし、市街化調整区域でも建物新築していますし、売買もされています。

市街化調整区域は、建物新築は原則NGですが、例外があります。その例外規定がややこしく、私でさえ今でも頭を悩ますことがありますので、一般の方にとってはなおさら分かりづらいと思います。

一般的な住宅に絞ってお話しします。市街化調整区域で住宅新築が許可される場合には、概ね次の二つに区分されます。

①この土地だったらOK

 これは誰でも建築可能です。したがって市場価値は高くなります。典型例は「線引き前宅地」「開発許可済地」「既存宅地の確認を受けている土地」になります。

②あなたならOK

 これは属人的な許可になります。「農家分家」が典型例です。

 ではなぜこのような土地が売買されるのか?それは「やむを得ない事情がある場合」は売却OKになっているからです。離婚、老人ホーム等への入居、転勤などです。

 売却は出来ますが、新たな所有者は再建築できません。今の建物に住みつづけるか、リフォーム程度です。自由な使用収益ができませんし、それはまた次の所有者にも引き継がれます。したがって、その市場価値は低くなります。

 こんな感じで、市街化調整区域で建物建築されているから、自分も建築OKだと思って購入すると思わぬ事態になるかもしれません。なぜ建物建築できたのか?それは自分が再建築可能なのか?を調べないといけないのです。

「まちゼミ」開催のお知らせ

2月14日(水)の13時30分から、「まちゼミ」を開催します。誰でも無料参加できます。

テーマは「不動産の相続 ~時価評価と税評価の違い~」です。

不動産相続の場面では2つの評価が存在します。

①相続税を計算するための評価

②遺産分割をするための評価

そして①と②では価格が異なります。多くの場合①の方が低くなりますが、問題になるは②の評価です。これらの違いについて説明するとともに、収益不動産の評価として不動産鑑定士の視点で解説をしていきます。

よく聞くのが「田舎のアパート」です。ほぼ相続税対策、もっと言うと節税対策で建築されています。節税対策なので、借金をしてでも建築した方が税効果は大きくなりますし、立地条件から本当に収益が出るのか疑問に思うこともあります。

さらに言うと、この手のアパートは「すでに土地を所有している人が建築している」ということが問題です。土地代金は無料ですので、建築業者の出してきた収益シミュレーションを見ると、確かに収益性は出ているように見えます。

ただし、アパートは複合不動産(土地+建物)ですので、収益を考えるのであれば土地建物の価値で見なくてはなりません。

 

なぜか? もし売ろうとした場合、買う側は土地代金も払わなくてはならないので、複合不動産の収益性で判断します。田舎のアパートは、複合不動産で見ると赤字になるので、買う側は手を出しません。つまり「売れない・換金できない」ということになります。

相続した側は、売れない・収益も出ない・費用は垂れ流すアパート…を持ち続けることになります。でも「節税効果はあった」ので、業者の節税対策の売り文句は間違っていません。

 

さらにはサブリースの問題も絡んできます。これはこれで別の問題になるのでここでは割愛しますが、ただでさえ収益性がないのに、もっと出なくなります。

ポイントは「海千山千の不動産関係者は、自分が損になるようなことはしない」のです。

こんなお話をしていきます。ぜひどうぞ。お申し込みは問い合わせフォーム、またはお電話でどうぞ。空席もあとわずかです。

令和6年もよろしくお願いいたします。

green mountain

明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

今年は相続、事業承継に力を入れようと考えています。私の地元の磐田市では「不動産鑑定士」という資格自体に馴染みがなく、まだまだ不動産業者と混同される方が多いのが実状です。

知っている人は知っている…という、個人的にはあまりうれしくない状況が続いていますので、少しでも多くの方に「不動産鑑定士」を知っていただき、さらに上手に利用してもらいたいと考えています。

裁判や調停、事業承継など、不動産の資産価値を話し合う場面でも「不動産業者の査定書」を使われている方が多いというのが、私の感覚です。

今までの経験でも「不動産業者の査定に納得がいかない」から、さらには「どの不動産業者の査定書が正しいか鑑定してほしい」というものまでありました。

後者は当然ですが、私の業務ではありません。ただ、このような方が多いのも「不動産鑑定士」に馴染みがないため、利用するという発想がないのが原因と考えています。

もっと頑張って、知名度を上げたい。これを本年のテーマにしていきます!!

住む自治体選びのポイント

掘り出し物件はありませんか?

「掘り出しモノの土地はないの?」や「どこがおススメ?」と聞かれることがあります。

掘り出しモノかどうかは将来にならないと分からないですし、条件がいい土地はみんながそう思っているので、値段が高くなるというジレンマがあります。

 

見方を変えてみよう!

私からの提案です。土地を選ぶということは「将来にわたって住み続ける自治体を選ぶ」ということです。では自治体を選ぶという時に、何を目安にすればいいでしょうか?

私の地元の静岡県内では「長泉町」が人気があります。東京にも近く、子育てが充実しているというイメージがあります。

一方、私が過去に勤務していたことがある牧之原市は、沿岸部を中心に全くと言っていいほど人気がありません。津波が怖い、原発エリアだ…などネガティブなイメージがあります。

 

地価公示(最も高い地点)で比べてみましょう。

長泉町 137,000円/㎡(452,100円/坪)

牧之原市 29,800円/㎡(98,340円/坪)  と4.6倍の差があります。

こんな価格差が出るほど、両自治体に差があるのでしょうか?

 

住む自治体の経済状況(おサイフの状況)を見てみよう

住む自治体の経済状況(おサイフ)は重要です。今は良い状態でも将来も維持できるかは、おサイフの状況によります。そこでRESAS(地域経済分析システム)で調べてみました。

牧之原市を例にとると、地価は下がりっぱなしです。津波・原発といいイメージがありません。電車も通っていません…。

経済状況はどうでしょうか?

これが結構いい数値なのです。経済循環とも言いますが、スズキや小糸製作所の工場、矢崎の研究施設もあるので、外から入ってくるお金が大きいのです。

「観光客が落としていくお金」なんて言いますが、牧之原市は「企業が落としていくお金」が大きいのです。

国に例えると「輸出でガンガン稼いでいる国」です。

経済がどれだけ回っているかでは長泉町より上です。もっと言うと、静岡県トップクラスです!

それを反映してか、将来負担率(将来財政を圧迫する可能性)も全国平均と比べても圧倒的に低いのです。

 

でも、土地価格は・・・

安いのです。こう考えると「牧之原市自体が掘り出しモノ」と言うことができるかもしれませんね。

この目線で自治体を見てみると、また違った景色が見えてくると思いますよ。

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