週末のニュースでフラット35という、住宅金融支援機構(昔の住宅金融公庫と表現した方が分かりやすいですね)の個人向け住宅ローンを悪用して、投資用不動産を購入していたという報道がありました。

そもそも投資用不動産に利用できないにも関わらず、「自己用住宅の購入」と嘘をついて融資金を引き出すだけでもNGですが、さらに架空工事費用を計上して余計に引き出していた…余計に引き出したお金がどこへ消えたかは闇の中ですが。

報道では「一括返済を求める」とか「間に入った業者にも返済を求める」とありました。一括返済を求められるのは誰なのでしょう?これは借りた個人です。「間に入った業者」に返済を求めることはできるのでしょうか?なんか計画倒産されそうな気がしますが…大丈夫なのでしょうか?

住機構(フラット35)からすれば、借りた個人も物件を販売した業者も同じ「共犯者」です。一括返済を求められて困るのは「借りた個人」です。物件売却をしようと思ってもたぶん完済できる金額で売却はできないでしょう。もともと融資金の中に「架空工事部分」が含まれていますから…。

業者倒産すればそこまでですが、個人は自己破産です。もし他に住宅があったらそれも手放さないといけませんし、住宅ローンを組んでいたらそれも返済できなくなります。

でもそれを含めて、「すべて自己責任」です。それが不動産投資です。こういう悪用事例があるため「不動産は怖い」となってしまうのでしょう。

言葉巧みに誘導されてしまい、その気になってしまう気持ちも分かりますが・・・。一度冷静に考えるべきですし、第三者を交えるとなおいいでしょう。不動産鑑定士であれば、完全に第三者の立場からアドバイスをすることができます。少なくとも業者に「投資用不動産を自己用不動産」を嘘をついてまで、言われるがままに契約してしまうことはなくなると思います。