よく不動産屋さんの店頭や、不動産会社のサイトに販売不動産の広告が出ています。A4の横サイズで、右上に販売価格、左側に物件の写真や地図などが掲示されている広告です。そこに記載されている「販売価格」ですが、適正な価格だと思いますか??
そこで、販売広告を多数集め、その広告に記載されている販売価格から適正な価格を導き出すことができるか、チャレンジしてみました(この方法は、不動産鑑定評価基準に定められた方法ではないので、あくまでも参考値としてのものです)。
結論から言います。無理でした…。一応、計算するにはしましたが、たくさんの補正をしなくてはならず、その補正根拠を詳しく説明すると「理解しづらい」という結果になりました。なぜこんなことが起きたのでしょうか?
結論から言います。販売価格には「売主や業者が、このくらいで売れたらいいな」という思惑も入っています。販売初期のころは強気の価格設定であっても、売れなければ値下げしてきます。そして販売広告からでは「強気の価格」なのか「売れないから値下げした価格」なのかを、見ただけでは分かりません。
たくさんの販売広告を集め比較してみました。そして計算もして金額も出しました。なぜその金額になったのかの説明に無理が生じます。分かりにくい結果になりました。
つまり、販売広告に記載されている販売金額は、各種の事情や思惑が含まれており、適正な金額ばかりではないということです。販売広告から「この価格帯なのかな」と何となく思うことはできますが、不動産は物件ごとに個性がありますので、それだけで「この金額が適正かな」と判断するのは危険です。
もし適正金額を見出そうとするなら、土地建物価格の内訳、さらに経費や業者利益も加味して求めなくてはならないでしょう。それこそ鑑定評価基準に定められている方法です。販売価格から適正と思われる、つまり割高でも割安でもない「ちょうどいい金額」を、判断するのは無理がある。という結論です。