不動産鑑定士という仕事との出会い

今回は、私の母校である静岡県立磐田南高校の同窓会ホームページの「同窓生は今」に寄稿した文章をご紹介します。

掲載サイトのURL https://bannan-dousoukai.com/now/3286/

その存在すら知らなかった仕事


私が入学したのは1992年4月ですので、それからもう30年が経過しようとしています。

今振り返ると「将来は〇〇になるんだ。一生懸命勉強するぞ!」という明確な目標はなく、それが原因か成績は大変残念(?)なレベルでした…。今は地元磐田市で不動産鑑定士をしていますが、当時はその存在すら知りませんでした。

不動産鑑定士は難関国家資格に分類されている(らしい)ですが、他資格と比べて知名度も低く、職務内容もなかなかイメージできないと思います。

簡単に言うと「不動産の持つポテンシャルを分析し、金額で表す」ことです。半年に1回ニュース等で「静岡県の地価が発表され…、最高額は〇〇駅前のどこどこで…」と耳にすることがありますが、それは不動産鑑定士が担っています。

地味な でも希少性に富む仕事

そして日常業務はかな~り地味です!なにせ人ではなく“話さない不動産”が相手ですから。ある日は資料片手に電卓叩きながらPCと向き合い、またある日はメジャーとデジカメを持って現地調査へ…コツコツとマイペースで仕事がしたい人には、不動産鑑定士という職業が向いているかもしれませんね。

 

不動産鑑定士は静岡県内に人数が少ないので、稀少性があります(いわゆるレアキャラです)。私も大手住宅ローン会社主催のイベントに有識者(審査員)として声をかけていただきました。女性タレントやお笑い芸人の方のすぐ隣で仕事ができたのは、ミーハーな私にはとてもすばらしい思い出です。

様々な仕事に触れておきたい高校時代


振り返ると30年前、自分が不動産鑑定士を職業にしているとは想像すらしませんでした。それも人生の面白みと言えばそうですが、やはり高校時代に色々な職業に触れておきたかったという思いもあります。

 

「麻雀ばっかりしてないで、人生のキャリアブランディング、それに向けてどんな勉強すべきか考えようぜ」…、30年前の自分に一番言いたいことです。

自分の反省もありますが、今の高校生には色々な職業を見て聞いて、そして触れて欲しいと思います。

写真は講演を依頼された時のものです。

不動産鑑定士と不動産業者の違い

よく不動産業者と間違われます。今までの例では、自己紹介をした時に「いい物件があれば紹介してください」とか「宅建協会(不動産業者が加入する協会)の〇〇さん(←誰?)には、いつもお世話になっています。」などなど。

不動産鑑定士と不動産業者はまったくの別物ですが、名前が似ていることと、同じ不動産業界で一括りにされてしまう部分もあるので、その違いについて簡単に説明します。

 

まず不動産業者についてです。

これは皆さんもお馴染みの「不動産を買いたい、売りたい」「部屋を借りたい」「土地を貸したい」という時に登場します。少しマニアな話ではありますが、地代(賃料)を改訂したいときや、貸し借りしている土地の売買交渉を地主と行ったりします。

よくテレビCMやネット広告で目にすることがある「不動産の無料査定」「AI査定」など、不動産を無料で査定してくれます。実は無料にも理由があって、手間暇かけて&それ用のシステムを構築しても、不動産業者は査定で代金を取ることができません。

なぜなら「不動産の鑑定評価に関する法律」で決められているからです。

では、なぜ不動産業者は無料で、かつ手間ひまも費用もかけて査定をしてくれるのか? それは「仲介契約を取りたいから(仲介手数料を取りたい)」です。あくまでも仲介契約に結び付けるためのサービスの一つです。

また、不動産査定を行うにあたり特別な資格も必要ありません。そして査定金額に対する責任もありません。したがって、複数の不動産業者の査定を取った場合に、見る側がびっくりするくらいの査定金額になっていたりします。

でもこれはこれで「その業者の意見」ですので、おかしいと思ってもどうこう言うことはできませんし、ましてや責任を追及することもできません。

不動産鑑定士はと言うと、そもそもこの地域では不動産鑑定士の人数自体が少ないので、不動産鑑定士を活用する、味方にするという発想自体がありません。これは私の力不足もあります。

不動産鑑定士は「不動産の鑑定評価に関する法律」でその地位を認められた国家資格者です。またその不動産の経済価値を有料で出すことが独占的に認められています。そのため、不動産鑑定士の作成する不動産鑑定評価書は社会的信用性が高いこと、説明責任など責任が求められること、報酬を得ることが認められています。

「不動産鑑定士の不動産鑑定評価書」と「不動産業者の査定書」との違いは、作成するのに「国家資格が必要か否か」です。不動産業者の査定書は誰でも作ることができるので、中には明らかに間違っている内容の査定書を見てきました。ただそのような内容の査定書であっても、見る側、使う側に不動産の知識がないと誤りに気づきませんし、調停や交渉の場でそのような査定書が使われることもよくあります。

私自身、今までそのような査定書は複数目にしてきました。そのような査定書を相手が出してきた場合、どのように対処するのがいいでしょうか?

やはり「不動産鑑定士を味方につける」ことになります。

ただ、「不動産鑑定士がそう言っていた」では、なんの反論材料にもなりません。その人を連れてこいと言われるのがオチでしょう。実は私もそういう経験があります。

無料で相談に応じましたが、あくまでも無料であることから「いわゆる一般論」をお話ししたのですが、それが「不動産鑑定士の浅野がそう言っていた。」になり、私の話した通りに伝わっていればいいのですが、都合のいいように内容が変わってました…。相手方はとてもご立腹でしたが、私も無料相談の範囲内の一般論しか話していないので、わざわざ揉め事の場に出て説明する義務もありません。事実を伝えてお引き取りいただきました。

こんな交渉(下手に不動産鑑定士の名前を出して、都合のいいように改変する)をするとかえって逆効果になるのになぁと思いました。

不動産鑑定士も国家資格者です。その知見や名前(国家資格自体)が商品です。本当に味方につけたいのであれば、費用を払ってでも「不動産鑑定評価書」「意見書」なりを作成してください。書面としてきちんとしたカタチで出さないと意味がありませんし、かえって逆効果になることもあります。

初回相談は無料ですし、毎月第2水曜日の午前中に磐田商工会議所で無料相談会を開催しています。まずは相談してください。お問い合わせフォームからでもOKです。

不動産鑑定士を味方につけ、不動産の交渉を優位に進めましょう。

不動産鑑定士の「意見書」の活用方法を紹介します

頻度は多くないのですが、不動産鑑定士としての意見を「意見書」という形でお示しすることがあります。

相談の中で、口頭でお伝えすることはよくあるのですが、内容によっては先方に書面で提示したいという希望もあります。口頭でお伝えする内容はどうしても「不動産鑑定士がそう言っていた。」となること、さらには尾ひれがつくことも想定しておかないといけないため、あまり踏み込めません。

経験談ですが、「不動産鑑定士がそう言っていたと言われたが、それはあなたか?」と尋ねが来たことがありました。あくまでも一般論を話しただけだったのですが、都合のいい内容に改変されていましたね💦

また賃貸借の契約更改にあたって意見を求められたことがありました。先方の出してきた賃料根拠に納得がいかないとのことでした。

詳しく見せていただくと、税理士が作成していました。税金計算で使用する算定方法を用いて不動産価値を求めていたため、その不動産の個別性が反映されておらず、また時価からも乖離していました。

ここで「意見書」の活用シーンですが、「不動産鑑定士としてどう思いますか?」という問いにきちんと書面で残す、相手方に提示する場面で使ってください。

 

当然ですが費用が発生します。ただそれ以上の価値はあります。

 

その理由として、まず相談場面で私が口頭でお話しした内容を、相手方に伝えるのは構いませんが、どのように伝わったか私には分かりません。そのため、先方から問合せがあっても基本的には答えないですし、その義務もありません。

ちょっと厳しい話になりますが、きちんと費用をお支払いしていただいた方と、無料相談レベルでお話しする内容とでは、差があります。無料相談を低く見ているのではなく、費用をお支払いされた方に提供するサービスとでは、そのクォリティに差があるのは当然、という考えからです。

「意見書」を出した場合には、問い合わせがあればきちんとお答えします。

 

まとめ ~こんな場面で活用してください~

①不動産業者の査定書内容についての見解

②先方の出してきた資料についての見解

③交渉にあたっての、個別の不動産についての見解

雑種地の評価は難しい ~ぜひご相談ください~

ここ最近は「雑種地」の評価についてご相談を受けることが多いです。税務上の評価と市場価値が乖離していることから、税理士の先生からご相談をいただきます。

そもそも「雑種地」とは何か?から始まるのですが、雑種地は言い換えると「その他の土地」になります。これでもまだ分かりづらいと思うのですが、土地は「宅地(住宅・商業・工業など、建物建築が前提の土地)、農地、林地等」に区分されるのですが、どうにもそれには当てはまらない場合があります。その場合に「雑種地(その他の分類)」となります。

市街化調整区域内にある「駐車場・資材置場」や「太陽光発電用地」が代表例です。

これらの土地の評価方法ですが、税務上は「倍率方式(固定資産税評価に倍率を乗ずる)」と「近傍地比準価額方式(近くの似たような土地と比べる)」があります。そして「近傍地比準価額方式」で評価した場合に、評価額が高くなる傾向があるように感じます。

市街化区域内であれば建物建築はできますが、市街化調整区域の場合は基本的には建物建築はNGですので、どうしてもその評価は低くなります。それを踏まえて近傍地比準の場合、近くの宅地(建物建築OKの土地)と比べます。概ね半額程度が多いです。

一方で、駐車場や資材置場用地は、基本的に建物建築できないためその経済価値はかなり低くなります。そのため、税務評価の方が高くなってしまうことがあります。

その場合はぜひ不動産鑑定評価を活用ください。浅野不動産鑑定は雑種地評価を多く扱っております。取引事例から比準を中心にその経済価値を適切に把握し、不動産鑑定評価書をお作りします。

まずはご相談ください。概算値をお示ししますのでそれを踏まえて正式にご依頼いただくか否かの判断をお願いしています。

無料の不動産相談会のお知らせ

毎月第2水曜日の午前10時~12時まで、磐田商工会議所にて「不動産相談会」を開催しています。ここでの相談料は無料となっています。

予約制ですので、相談をご希望の方は、私または磐田商工会議所までご連絡ください。当サイトのお問合せフォームからも承っていますので、ぜひそちらもご利用ください。

こちらの相談会は、私も力を入れて相談していますので、おススメです。

 

ここから先は余談になります。

世の中には「無料相談」と謳われるものは数多く存在します。一般的な企業が開催する無料相談会は、その後の商品やサービス購入の呼び水ですが、士業が行う無料相談はどうなのでしょうか?

私の経験ですが、「士業の無料相談」で得られる知識、成果はそんなに期待しない方がいいです。基本的に士業の方々は「相談も有料」です。専門知識を販売しているので当然と言えば当然です。

ではなぜ無料相談は期待できないのか? それは「あまり突っ込んだことを言えない」…というのがホンネです。時間も限られていますし、なにより士業の方々は「無料と有料の線引き」がしっかりされています。

士業の方にしっかり働いてもらうには「有料」で相談した方がいいですね。中には「無料」の範囲内で…とか、何度も無料だと思って聞いてくる方もいらっしゃいますが、成果には期待しない方がいいですね。

 

 

 

ちなみに、私が磐田商工会議所で行っている「無料相談会」は、無料ですが有料相談と同じクォリティですので、ご安心ください。

商工会議所の看板もありますし、その信頼に期待されて来られる方も多いので、全力で相談させていただきます!

「借地の買取交渉」での不動産鑑定活用について

今回は経験談になります。似たような場面に出会うこともあると思いますので、ぜひ参考にしてください。

【長年住んでいる自宅がありますが、その一部が祖父の代から借地になっている。今般、地主が代替わりしたこともあり、売却してもらうよう交渉している。ただ、地主側から出された売却価格がどうにも納得がいかない。】というものです。

お話を伺ったところ、不動産業者が間に入って交渉しているそうです。それ自体は別によくあることなのですが、その不動産業者の査定書がトンデモないシロモノでした…。

市街化調整区域内であり、売買交渉をしている借地部分と家が建っている部分は「宅地」ですが、その周辺は「畑」になっていました。ではその査定書がどうなっていたかと言うと「借地部分(売買交渉をしている部分)+家が建っている部分(宅地)+周辺の農地」を含めて大きな土地とし、マンション適地として高い価格で査定書を作っていました。

市街化調整区域、すなわち駅から遠く離れた田舎であり、建築許可が取れるのか不明、仮に建築できたとしても採算は合わないですし、そもそも「農地」を転用許可が取れるかも怪しいのに、その辺は一切説明がありませんでした。

不動産業者が言うには「どこに出しても恥ずかしくない査定書」だそうです。こちらが知らないと思って…と依頼者は怒っていましたが、その気持ちも分かります。地主もこの査定書(高い金額)をすっかり信じてしまって、強気の価格交渉をしてきていたそうです。

そこで私から「地主・買主の折半で不動産鑑定評価を行う」ことを提案しました。そもそもマンション建築を想定すること自体が非現実的(ファンタジー)ですから。

その後、地主(と不動産業者)を通じて、「この査定書は不動産鑑定士のお墨付きを得ており、不動産鑑定評価書もあるから、この金額で正しい。」と言ってきたそうです。気になったので、「誰が評価したのか?」「不動産鑑定評価書を見せてほしい」と、依頼者を通じて聞いてもらうようにお願いしました。

そうしたところその日のうちに、依頼者(不動産業者)から私のところに不動産鑑定評価依頼の相談がきました…。さすがにこれにはちょっと呆れましたが、まあそんなもんなんだろうな、と妙に納得した面もあります。

さすがに、マンション適地としての価格(そんな高い金額)は出せないのでお断りしましたが…。

このような場面で不動産業者の査定書が出てきたら、まず私にご相談ください。その内容を吟味した上で「不動産鑑定評価」をご提案いたします。

令和6年もよろしくお願いいたします。

green mountain

明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

今年は相続、事業承継に力を入れようと考えています。私の地元の磐田市では「不動産鑑定士」という資格自体に馴染みがなく、まだまだ不動産業者と混同される方が多いのが実状です。

知っている人は知っている…という、個人的にはあまりうれしくない状況が続いていますので、少しでも多くの方に「不動産鑑定士」を知っていただき、さらに上手に利用してもらいたいと考えています。

裁判や調停、事業承継など、不動産の資産価値を話し合う場面でも「不動産業者の査定書」を使われている方が多いというのが、私の感覚です。

今までの経験でも「不動産業者の査定に納得がいかない」から、さらには「どの不動産業者の査定書が正しいか鑑定してほしい」というものまでありました。

後者は当然ですが、私の業務ではありません。ただ、このような方が多いのも「不動産鑑定士」に馴染みがないため、利用するという発想がないのが原因と考えています。

もっと頑張って、知名度を上げたい。これを本年のテーマにしていきます!!

市街化調整区域の評価は難しいです・・・

最近、市街化調整区域の鑑定評価を依頼されていましたが、無事に納品ができました。

タイトルにも記載しましたが、市街化調整区域の評価は本当に難しいです。市街化調整区域はよく「建物建築ができない」と言いますが、私の解釈では「建築できなくもないが、限定された用途のみ建築できる土地」となります。

ここで厄介なのは「建築できなくもない」という部分です。何がどのような条件で建築可能かは、しっかりと調査しなくてはなりませんし、仮に建築可能な用途であってもそこに建築することに経済合理性があるかもはんだんしなくてはなりません。

相続や事業承継等で市街化調整区域の土地をお持ちの方、これから持たれる方にとって、市街化調整区域内の評価をすることは、自分自身で行うことはもちろん、不動産業者でも難しい場合もあります。

ぜひ不動産鑑定士に相談してください。説得力のある不動産鑑定評価書をお作りします。

地元経営者のつながり ~東京で日本酒を堪能しました~

月曜日は東京出張でした。リモートでもいろいろできますが、仕事柄不動産を見に行くときは、リモートではできないので、現地に行きます。出張も不動産鑑定士の楽しみの一つです。

東京に行くこと自体久しぶりなのですが、せっかくなので地元磐田市で知り合った経営者を訪ねることにしました。

 

システムフリージア株式会社の富山社長のご厚意で、東京の本社にお邪魔させていただきました。とてもユニークで、オフィスの一部が日本酒バーになっています。

 

そして富山社長自らが日本全国から選りすぐった、とっておきの日本酒が味わえます。私も堪能させていただきました。

写真はその中でも特に気に入ったお酒です。

どちらも熟成された日本酒で、日本酒と言えば透明か、少し黄色かかっているのが一般的ですが、熟成された日本酒はウィスキーのような色合いです。また味わいも少しウィスキーのような感じがして、とてもおいしい出会いでした。

お歳暮にいいかもしれませんね。

今回、地元磐田市での出会いがもとにおいしい日本酒と出会うことができました。

 

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