地元を離れ東京や大阪、はたまた海外で仕事をされ拠点もそこで構えている方が多いです。私の高校時代の同級生も半分近くは地元にいません。でも、親は地元に住んでいます。兄弟が地元にいて親と同居していればいいのですが、やはりそうとは限りません。冗談交じりに「いつか実家を売って、老人ホームにでも入ればいいや。」と言っている方もいますが・・・。
「実家は中古物件」です。当たり前といえば当たり前ですが・・・、単に中古物件でひとまとめにはできません。築年数の違いは分かりやすいですが、リフォームの有無、品質(大手ハウスメーカー、地元大工のこだわりの家、ローコスト住宅などなど)、性能(太陽光発電、床暖房、免震や制震装置等)はそれぞれ違います。また一昔前なら「建物は20年で価値がなくなる。」と言われていましたが、今は違います。長期優良保証住宅、住宅性能表示など「20年」では片づけられません。
つまり、中古住宅(および中古住宅市場)には様々なランクのものが混在しているということです。それらの価値をどのように把握すればよいでしょうか?サイトなどのバナー広告されている「無料査定」で把握できるでしょうか??
不動産は金額が大きいので、ちょっとのブレで評価額が大きく変わります。実家の価格が相続に影響を及ぼすこともあります。高い安いで「争族」になることも考えられます。「兄貴の取り分が多い!」とか「実家を売って現金化しよう。価格は〇〇〇円だから自分はこれだけが相続分ね。」なども・・・。その時に正しい経済価値を把握しておかないと、本来なら揉めなくていいものが、変な方向に話が進むかもしれません。
不動産鑑定士だから言うのではありませんが、私なら「なぜ実家がその価格なのか?どういう根拠でその価格になったのか?」の説明は求めます。そんな時に「専門家である不動産鑑定士に依頼して評価してもらった。」と言えば、ひとまず実家の価格についての争いはなくなると思います。後は、「どう遺産分割するか」に論点が移りますね。