掘り出し物件と欠陥物件の違いは?

よく「掘り出しモノの物件」はありませんか?と聞かれます。いつも返答に苦慮しています。世間一般的に見れば「掘り出し物件はあります」が、「具体的にこの物件が掘り出しモノです!」と指定して教えることはできません。ただその逆はできます。「この売り出し物件、高いかもね。」という内容です。

では、掘り出しモノの物件は「近隣相場よりも価格が安い」ということでしょうか?実はそれも違います。相場よりも価格が安い物件であれば自分でも探すことができます。場合によっては、広告とか出されてないんだけど紹介できますよ、と紹介されるケースもあります。基本的に「近隣相場よりも価格が安い」ということは何かしらのワケがあります。ワケアリだから安いのです。

ところで世の中には「ワケアリだけど、それはそれでOK」ということもあります。身近なもので言うと「ちょっと傷になって商品化できない食べ物」でしょう。「ちょっと傷はあるけど味は変わらない、でも商品化できないから価格は安い!」というものです。私も大好きです。不動産で言うと「住むことはできる。けどワケアリだからちょっと価格が安い」という感じでしょう。ただ不動産の「ワケアリ」はかなり注意が必要です。「ワケ」の内容によっては「掘り出し物件」ではなく「欠陥物件」になります。

言わずもがなですが「欠陥物件」に市場価値はありません。ほしい人がいないからです。でも「価格が安い」だけで飛びついてしまうと、「欠陥物件」を割高で購入し、さらには誰かに売ることもできない…という最悪な展開に陥ります。「価格が安い」にはそれなりの「ワケ」があります。もし「ワケ」がなければ市場相場で売却した方が売主の利益に直結しますからね。「価格が安い物件」を購入する際は、十分な事前調査が必要です。でもなかなかそれも難しいでしょう。

私なら調べることができます。また「普通の不動産業者」であればその辺はきちんと説明してくれます。ただ、欠陥物件を一般の人に売ろうという業者は、正直「普通の不動産業者」とは言えません。では数ある不動産業者の中から「いい業者」をどのように見つければいいでしょうか?? それはまた改めて解説します。

市街化調整区域の物件と、住宅ローンの審査

以前のブログで「市街化調整区域の物件購入はご用心!?」で書きましたが、市街化調整区域内では「建物を建築できる土地と、できない土地」があります。そして「今現在、建物が存在しているから、次も建築ができる」というワケではありません。どういうことか?

市街化調整区域は基本的に、建物の建築はNGです。これが大前提です。でも行政から許可を得れば「合法的」に建物の建築ができます。「今現在、建物が建っているということは、過去に行政から許可を得ていたのだろう」と思うのはとても危険です。必ずしもそうとは限りません。行政の許可なしに建築されている建物が存在します。つまり「違法建築物」です。購入しようとしている物件が「違法建築物」か否かは、外見では分かりません。登記簿を見ても分かりません。さらに、固定資産税がかかっているから合法だろう…というのも大きな間違いです。「固定資産税がかかる」ことと「それが合法的な建物である」かはまったく別です。

さらに「住宅ローン審査が通ったから合法的な建物だろう(違法建築ではない)」というのも、まったく違います。金融機関は「担保となる建物の合法性を審査する機関」ではありません。もちろん審査では建物が合法的に建築されているかは見ますが・・・。金融機関の立場は、とても乱暴な表現ですが、住宅ローンをきっちり返済してくれればいいのです。審査は人物重視です。担保となる物件に難があっても、人物的に問題なく、きちんと返済してくれるのであれば、融資OKとなるでしょう。

私の聞いた話です。問題のある物件を購入してしまい、住宅ローンまで組んだお客様が店舗にやってきて、「〇〇(←金融機関名)は、違法建築物にでも融資するんですね!それでいいんですか??」と怒りながらクレームを言ってきたそうですが、私に言わせていただくと、それはお門違いです。クレームを言うなら販売業者でしょう。悪い業者も存在します。私の推測ですが、その業者に文句を言ったけどのらりくらりと交わされ、それで金融機関に矛先を向けたのかもしれません。

本来は、販売業者には「重要事項説明」の義務があります。普通の業者はきちんと説明しますので心配しすぎることはないのですが…。その義務を怠ったのが原因です。住宅ローン審査担当者が違法建築物に気づいていたかは分かりませんが、違法建築物だからあなたに融資はしない!…ということではありません。違法建築物であっても返済をしっかりしてくれる人ならいいのです。建物の合法性の立証責任は金融機関にはありません。

ただ、住宅ローン審査をするなら審査担当者は、お客様の幸せのためにも、購入を検討している物件が違法建築物であるならその旨をアドバイスしてあげてもいいのかなと思います。住宅ローンの金融機関選びも、金利だけで選ぶと後から痛い目にあうかもしれません。金融機関選び、とても重要です!!

不動産の販売価格って何?

よく不動産屋さんの店頭や、不動産会社のサイトに販売不動産の広告が出ています。A4の横サイズで、右上に販売価格、左側に物件の写真や地図などが掲示されている広告です。そこに記載されている「販売価格」ですが、適正な価格だと思いますか??

そこで、販売広告を多数集め、その広告に記載されている販売価格から適正な価格を導き出すことができるか、チャレンジしてみました(この方法は、不動産鑑定評価基準に定められた方法ではないので、あくまでも参考値としてのものです)。

結論から言います。無理でした…。一応、計算するにはしましたが、たくさんの補正をしなくてはならず、その補正根拠を詳しく説明すると「理解しづらい」という結果になりました。なぜこんなことが起きたのでしょうか?

結論から言います。販売価格には「売主や業者が、このくらいで売れたらいいな」という思惑も入っています。販売初期のころは強気の価格設定であっても、売れなければ値下げしてきます。そして販売広告からでは「強気の価格」なのか「売れないから値下げした価格」なのかを、見ただけでは分かりません。

たくさんの販売広告を集め比較してみました。そして計算もして金額も出しました。なぜその金額になったのかの説明に無理が生じます。分かりにくい結果になりました。

つまり、販売広告に記載されている販売金額は、各種の事情や思惑が含まれており、適正な金額ばかりではないということです。販売広告から「この価格帯なのかな」と何となく思うことはできますが、不動産は物件ごとに個性がありますので、それだけで「この金額が適正かな」と判断するのは危険です。

もし適正金額を見出そうとするなら、土地建物価格の内訳、さらに経費や業者利益も加味して求めなくてはならないでしょう。それこそ鑑定評価基準に定められている方法です。販売価格から適正と思われる、つまり割高でも割安でもない「ちょうどいい金額」を、判断するのは無理がある。という結論です。

土地の値段が決まる仕組み【戸建住宅編】

土地の値段ってどのように決まるのでしょうか?よく不動産屋の前を通りかかると、A4横の用紙に、地図・値段・条件等が記載された紙が張り出されていますよね。あそこに記載された金額は適正な価格だと思いますか?

答えは、一概には言えないがという条件付きで、NOです。明らかに高い場合、または低い場合があります。高い場合の典型事例としては、売主が高い金額で売りに出してほしい場合や、高額で査定した手前、高い金額で売り出ししなくてはならないケースなどがあります。

低い場合は、ネガティブな意味でのワケアリの場合、売主の事情ではやく売って現金化したいから、などがあります。

また、よく大きな土地を区画割して分譲販売しているよう場合もあります。このケースでは値段が決まる仕組みが違います。不動産開発業者が大きな土地を購入し、分譲して販売するのが一般的です。つまり「土地の仕入値(原材料価格) + 分譲開発費(加工費) + 利益 」の合計で決まっていきます。この場合、あまり値下げは期待できません。なぜか?

まず、新規の分譲販売案件はそれなりに販売見込みがあり、さらに新しい物件の方が好まれるという理由もあります。あまり値下げしすぎると原価割れしてしまいます。よほど売れ残っているのなら値下げしてでも売り切りたいのでしょうが、そこに期待するのは現実味が欠けていると思います。

個人的なおすすめは空き家です。空き家のオーナーと話すと多くの方が「いくらでもいいから」と言います。「売れるなら少しでも高く」という本音は隠れていますが…。この場合、建物は取り壊し前提で土地のみを購入するというスタンスがいいでしょう。空き家があるとどうしてもネガティブなイメージになりがちですが、土地だけを割安で購入しようと思えば、新規の分譲案件よりも空き家が狙いでしょう。

市街化調整区域の物件購入はご用心!?

実際にあった事例です。これから市街化調整区域内の物件を購入しようとしている方向けのお話です。

中古物件をかなり格安(相場の半値以下)で購入しました。建物は古かったのでほぼほぼ土地の値段です。市街化調整区域なので、基本的に建物の再建築は認められません。でも、すべての建物の再建築ができないというワケではありません。まあ今回それは置いておきます。「再建築が認められない」と何が問題なのでしょうか?

建物は「永遠」ではありません。経年劣化もありますし、新築であっても災害等で破損することもあります。いつかは建て直さないといけない日がきます。その時「再建築できません」では困ります。ではどうすればいいか?他所へ移るしかありません。つまり「土地の価値」は建物の残存耐用年数しか価値はないということです。

さらに、建物の再建築ができない土地を買いたい人はいるのでしょうか?資材置き場くらいしか使い道はありません。そう、買い手がいないのです。そのため市場で売却することは困難です。自分で持ち続けるしかなく、固定資産税も支払い続けなくてはなりません。それだけでも大変です。

他にもあります。市街化調整区域は基本的に建物建築はNGな区域です。でも現に建物が存在することもあります。なぜでしょう?原因は2つあります。①市から許可を得て建築した(合法) ②市に内緒で建築した(違法)です。①であれば問題はありません。

今回の事例は②だったのです。つまり「市街化調整区域内に違法に建築された建物」を購入していた、ということです。普通は遵法性については売買の時に不動産業者が説明してくれるのですが…、その説明がなかったそうです。再建築できないことは聞いていたみたいですが、違法建築物という説明があれば、そもそも買いませんよね。

でも実際にそういうことがあるのです。こんなことにならないようにするにはどうしたらいいでしょうか?事前に自分たちでも調査をするしかありません。それが難しいなら、私のような専門家に調査を依頼するか、信頼のおける不動産業者を見つけるしかありません。

不動産屋さんとの付き合い方。これも失敗しない住宅には必須の条件でしょう。

現場見学会が楽しくなるセミナー

私の前職は金融機関でした。住宅ローンの販売促進もあり、不動産業者やハウスメーカーとともに現場見学会の企画がありました。今もあります。

でも、いつも思うのですが、現場に行って何を見ればいいのでしょうか?モデルルームであれば、ハウスメーカーの様々な仕様を見て思いを膨らませることはできます。でも「土地」の場合はどうすればいいでしょうか?あまり「土地の現場見学会」なんて話は聞きません。興味がある土地があれば自分たちで見に行くしかありませんよね?でも、どこに注意して見ていけばいいのでしょう。

よくそれ系のサイトでは現場見学時の注意点がまとめられたサイトがあります。私も過去にそれ系のサイト運営者の依頼で、まとめたことがあります。でもそれはあくまで一般的な事柄ばかりです。例えば小学校への距離とか、食品スーパーへの距離などです。ある意味では「都会のモノサシ」かもしれません。

田舎には田舎のモノサシがあります。自動車移動がメインの場合に「駅距離」とか「食品スーパー」への距離はあまり関係ありません。食品スーパーで言えば「駐車場の広さ」が重要でしょう。コンビニも近くにないよりはあった方がいいよね…というレベルです。さほど重要視するポイントではありません。

ではどこを見ればいいのか?不動産鑑定士の現場調査では「ここをチェックする」というポイントがあります。一般の方にすべての項目をチェックする必要はありませんが、それ系のサイトには書いていない項目もあります。

また、土地そのものを見る前に、「どこの自治体にあるか?」も重要ですが、自治体選びのポイントを解説しているサイトは見たことがありませんし、そのようなセミナーも聞いたことがありません。なので私が企画してみました。タイトルはズバリ「住んで いいまち 悪いまち」です。

住んで悪いまち…なんてあるのでしょうか?

不動産業者の査定価格について

よくネットで「あなたの不動産、無料で査定します」というフレーズを目にしませんか?査定をする業者の中には、高い価格を意図的に提示して仲介業務を取ろうとする業者もあります。逆に自社で買取してリフォームして転売する業者もあります。

単純な話ですが、これらの業者に査定を依頼したらどのような結果になるでしょうか??自社で買取する場合には、リフォーム費用、自社の利益確保が必要になりますので、低い金額で仕入れないと商売になりません。逆に意図的に高い金額を出す業者は、自社買取するわけではないので、相場よりどれだけ高い金額を提示しても懐は痛みません。

では、不動産の適正価格を求めようとする場合、例えば相続(代償分割や遺留分減殺急)で話し合っている時に、これらの高い金額と低い金額が混在したらどうなるでしょう??低い金額で出そうと思ったら、自社買取している業者に査定を採用します。高い金額で出そうと思ったら、意図的に高い金額を出してくる業者の査定を採用します。普通の戸建住宅でも1000万円近くに乖離がでることもあります。

どうやって調整すればいいでしょうか??そこの金額調整だけでも一苦労です。ただでさえ揉めているのに余計に揉める原因になります。そういう時にこそ不動産鑑定評価がおススメです。

当然費用は掛かりますが、金額調整の苦労や心労を思えば、費用対効果は十分にあると思います。金額で揉めている時には「不動産鑑定評価書」を出しましょう。調停になった時にでも有効に働きます。

「○○県に土地バブル到来か!?」

ネットを見ているとこんな広告を目にしたことはありませんか?私も静岡県バージョンを見たことがあります。「静岡県の住宅価格がすごいことに!?」というタイトルもありました。不動産鑑定士の私から言わせていただくと「そんなわけないだろ!!」と突っ込んでしまいますが・・・。

これらのサイトを見ていくと、結局は「自宅の一括査定」にたどり着きます。もっと簡単に言うと「わが社で査定してね。高い金額出すから」です。自社で買い取ってくれればいいのですが、査定金額はあくまでも売り出しの参考値に過ぎません。「その金額で売りに出しますよ。売れるか売れないかは別の話だけどね…」程度です。ハッキリ言って、相場より高い金額で査定しています。そんな金額で売れるワケないだろ!と心の中で突っ込んでいますが・・・。売れなかったら金額を下げていきます。そう、最初の査定金額って何だったの??というカラクリです。

「 複数の会社の査定額を比較すると、査定額の差が1,000万円以上になる事もあります。」・・・どうしてこんなに差が出るのでしょうか??その理由が分かりません。一戸建てやマンションであれば、不動産鑑定士の鑑定評価では、不動産鑑定士によって若干の差異はありますが、同じ不動産で1000万円以上も差が出ることはあり得ません。

高く売れるということは、高く買う人がいるということです。これが相場より高いということであれば、「相場より高く買ってしまう人がいる」ということでもあります。仮に1000万円以上差があるとしたら、その金額分だけ損をしてしまっている人もいるということですよね。

いよいよ不動産の適正価格が分からなくなります。これが相続の場面でこんな1000万円以上も差異があったら、まとまる話もまとまりません。数百万円も自分の利益に直結するのですから。こんな場面こそ不動産の鑑定評価です。鑑定評価書と業者の査定書…どちらが役にたつでしょうか??

レオパレスのオーナーの訴えについて

昨日のニュースになりますが、レオパレスオーナーが国交省の責任を追及すると出ておりました。違法建築を見逃してきた国にも責任があるということです。まあその気持ちも分からないことはありません。でも、第一義的な責任はレオパレスであり、オーナーです。被害救済する第一順位は現在に入居者でしょう。

ここから先は推測です。きっと相続税対策になるから、子供や孫に家賃収入を残すことができますよ、家賃保証します、建築から管理まで自社でやります!・・・など営業マンに言いくるめられ、その気になってしまったのでしょう。

相続税対策…だけで建築すると後から痛い目にあいます。それは自分に経営者としての覚悟がないからです。業者にすべてお任せ、つまり寝ていても家賃収入が入ってくるなんて、普通に考えたらおかしいと思います。ただ、男性は夢見る少年ですから、一旦スイッチが入ると何を言っても止められません。

そして最大のポイントは「不動産投資」という点です。投資、つまり自己責任です。レオパレスを選んだのは自分ですし、借金してまで建築すると決めたのも自分自身です。自分が経営するアパートなのですから、どのようなアパートが建てられているのか、自分の目できっちり見届けるべきでしょう。その段階で気づいて指摘していれば違った展開になっていたかもしれません。

オーナーは「考えが甘かったのではないか?」と言われたらどのように回答するのでしょうか?もちろんレオパレスも悪いです。ただ、それで国に責任、つまり税金を使った救済と言うのは、個人的にはちょっと違うのではないかと思います。

レオパレスとサブリース

レオパレスの問題が新聞やニュースで大きく取り上げられています。建築基準法違反の建物で、耐火性に問題があるので、入居者に引っ越しを促しているそうです。ただし、これから引っ越しシーズンであり、さらにはヤマト運輸の子会社が業務停止となっているため、「引っ越し難民」となり、危険な建物であるにも関わらずすぐに引っ越しができない・・・ということです。

レオパレスの経営自体は、「預金もあるし問題ないっす」と言っているようですが、本当なのでしょうか?もっと言うと今回の一連の問題で最も注目したいポイントはレオパレス本体でも、入居者でもなく、「オーナー」です。オーナーに関する報道はありませんが、そのうち大きな問題になるでしょう。

入居者の引っ越し費用はレオパレスで負担する・・・とありますが、引っ越しされたら家賃収入がなくなります。家賃収入がなくなると、どうなるのでしょうか?収支は悪化しますよね。さらに、ここまでイメージが悪化してしまったレオパレスに住みたいと思いますか?住みたくないですよね。他に住むところがないのであれば別ですが、アパートの空室はたくさんあります。

つまり、今後も家賃収入が見込めないということです。レオパレスの「家賃保証」が崩壊するかもしれませんね。でもそれで最も損をするのは「オーナー」です。もっと言うと「オーナーとその相続人」です。家賃収入を生まない、借金付きの不良アパートを相続する羽目になるのです。保有しているだけでも固定資産税や管理コストがかかります。それでいて家賃収入がないのです。

オーナーの資金繰りが行き詰まるのは時間の問題でしょうね。よほど立地に恵まれた物件ならともかく、そんな立地に恵まれていたらそもそもレオパレスでは建築しないでしょう。これからどんどん社会問題になるでしょうね。

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