ちょっと前の話になるのですが「話のタネ」になるかと思い、一般参加者の立場で、「個人向けに賃貸住宅の不動産投資を営業する会社」が主催する不動産投資セミナーに参加してみました。セミナーの講師は外部講師でしたが、最終的な結論は「不動産投資は信頼できるパートナーが必要」ということでした。

本題はココからです。

 その「信頼できるパートナー」として、セミナー主催会社のヨイショが始まりました。なぜその主催会社がいいのかを「もういいよ」というくらい説明があり、その後はお待ちかね(?)の「主催会社営業マンとの個別相談タイム」が始まりました。この時点で帰りたかったのですが、個別面談するまでは部屋から出してくれませんでした。

 「主催会社営業マンとの個別相談タイム」の前に、講師から『あくまで一般論であるが、いい物件は早く売れる。いい物件はあなた以外のプロ業者も血眼になって探している。そんなプロたちにあなたは勝てますか??』という、ダメ押しパンチが繰り出されました(‘ω’)

 そこからは営業マンと参加者が個別に話をしていきます。最初に年齢の高い夫婦から面談をしていました。私は一人参加でしたので優先順位が低かったのでしょう。ボーっと順番を待っているのももったいないので、資料を見るふりをしながら周りの会話を聞いていました。さすが経験豊富な営業マン、会話が弾みトントン拍子で話が前に進みます。私にもあれだけのトークスキルが欲しいものです(*´ω`)

 私も若い営業マンと話しましたが、賃貸住宅のオーナーになることを強くおススメされました。予想通りの展開です。いかに立地に優れた物件であるか、建物も高級感あふれるハイグレード仕様になっているかを、延々と説明されました。

 パンフレットだけ見せられて、現地にも行かず投資するしないの判断はできません。その点をサラッと触れてみましたが、先ほどのダメ押しパンチ「いい物件は早く売れる」が再度繰り出され、ボディブローのように効いてきます。

 そう、他のセミナー参加者に先に取られてしまうのではないか?という思いが湧いてくるのです。集団心理かもしれませんが、これはコロッといってしまう気持ちも分かります。夫婦でコロッといかれたら止める人がいないので、もう主催会社の思うツボですね。

 なんとか無傷で(?)会場から脱出し、家に戻ってその不動産投資会社の扱う物件を検索してみました。詳しくは書けませんが、要約すると「見た目はいいんだけど、中身はチョットね…」でした。

 人間と同じで不動産も『外見だけで判断してはいけない。中身が大事』です。しかし残念ながら、7割の人は「外見だけ」で相手を判断するそうですが…。不動産投資でも外見がいいから競争力があって儲かる物件、と判断はできません。将来性を含めた収益で判断しないといけませんが、なかなか一般の方ではそうもいきません。

 そう言えば自分が大学生の頃に「男は顔じゃない!クルマだ!!」という強烈なキャッチコピーの中古車屋がありました。「その通り!」と思った自分は就職した後に、見栄えの良い四輪駆動のRV車を、高いローンを組んで買ってしまったことを思い出します(‘ω’)。

 後日談です。その不動産投資会社からしつこく連絡が来ましたが、のらりくらりとかわしているうちに連絡が来なくなりました。その後、その不動産投資会社は新聞紙面を賑わしてくれました…。あの時契約してしまった人はどうなってしまったのでしょうか??

 彼らはなぜ「ニセモノ不動産」を掴まされてしまったのでしょうか。前回のブログでも書きましたが、おさらいします。

 不動産投資セミナーに来られるくらいですから、参加者層は「それなりにお金に余裕がある方」で、「不動産投資で儲けたい」と思っています。さらに勉強のつもりで不動産投資会社主催のセミナーに参加している時点でもう不勉強です。

 そう、ニセモノ不動産を掴む方程式、【それなりにお金を出すことができ、不動産で儲けたいと考えているが不勉強な人に、「この不動産は儲かるよ」と甘くささやく】、にばっちり当てはまってしまうのです!