相続の生前対策の必要性が声高に叫ばれていますが、財産が少なくなるほどその必要性を感じず、そして何も生前対策をせず、結果として最も相続トラブルの多い層になっています。なぜでしょうか?

①「死」が前提にある…目をそむけたくなりますよね ②面倒…財産も大してないのに  そしてコレです。

③経済的にも精神的にも「メリット」がない! からです。経済的にはむしろマイナスでしょう。

相続の生前対策は、子供のための行為です。子供からすればありがたいのですが…、しかし親からすれば子供もとっくに一人前です。自分に何のメリットもなく、経済的なマイナスはあり、面倒です。さらに自らの「死」と向き合わなければならない…親からすればやりたがらなくて当然です。

これと似ている構造として「高齢者の免許返納」があります。共通しているポイントがあり、「自分は大丈夫」と思っていることです。家族がいくら説得しても「自分は大丈夫」とか「自身がある」とか言い、そして周囲を巻き込んで大きな事故を起こしてしまう…。その後始末は、子供の仕事です。

なぜ免許返納しないのか?これも上と同じです。特に「③経済的にも精神的にもメリットがない」ことです。免許がなくなれば移動や買い物が不便です。タクシーを使えば経済的にもマイナスです。

何のメリットもないのになぜ免許返納するのか?それは「家族や周囲に迷惑をかけたくない」ということもありますが、「もし迷惑をかける事態になったら、その損害が甚大になってしまうから」ことが分かっているからです。

相続も同じです。家族に迷惑がかかります。特に子供の関係が修復不能です。せっかく育てた子供たちが、自分の死をきっかけにバラバラになる…それが望む結末ですか??