最近は、相続に関するお話をいただきます。特に「空き家」ですね。空き家に関して言うと、当事者間の主張が180度異なっている…だけならまだしも、主張すらない!ということもあり、真剣に考えている人が損をするような構図になっています。

具体的に説明します。空き家を真剣に考えている人は、私の経験では奥様が多いです。もっと言うと「夫の実家」です。平均寿命の関係から、一般的には妻の方が長生きしますので、いつかは自分の問題となります。夫はどう考えているかと言うと「どうせ売れない(から放置)」とか「物置場として必要だから(という理由で先送り)」になっています。真剣に考えてはいません。その根源は何か?簡単です。「自分が死んだ後のことは妻に任せる」です。一方で妻はどう考えているか?「夫の実家なのだから、自分が生きている間に決着をつけてよ!なんで私が??」です。

さらに子供も登場します。実は子供も無関係ではありません。夫(父親)が亡くなったら、相続しなくてはなりません。仮に相続放棄したとしても「実家の管理責任(空き家でもです)」だけはしっかり残ります。もし父の実家が原因で近隣に被害が発生したら、損害賠償請求される立場です。で、子供はどのように考えているか?「親の代で解決しといてよ!!」です。

このケースだと誰が一番損な役回りでしょうか?やはり妻ですよね。この場合に夫の実家、さらに空き家であれば「不動産」ではなく「負動産」「腐動産」などと揶揄されてしまう状況になります。人口減少が始まっています。不動産が売れる時代ではないのです。もちろん駅に近く、利便性に優れたマンションであれが売りやすいでしょう。しかし市街化調整区域の場合は、はっきり言いますが「売れるか分かりません」。

売れなければ「相続財産」になります。こうなる可能性も踏まえて「相続対策」をしていかなくてはなりません。もし兄弟仲があまりよろしくないようであれば「代償分割」で、その空き家の資産価値を利用されかねません。空き家は不動産です。あなたにとって使用価値はなくとも、一般的な資産価値はあります。それが証拠に固定資産税は課税されてますよね?

事前に準備をしておくことが重要です。ここでもはっきり言いますが、何の事前準備もせず親が亡くなった後に行う相続対策は「敗戦処理」です。